バラエティに引っ張りだこの新世代アイドルは、取材開始20分前に「前の仕事が巻いたので」と柔和な雰囲気で現れた。明石家さんまや所属事務所の先輩など大御所を次々と魅了する驚異的な“後輩力”の正体に迫った──

◆後輩力で成り上がる
バラエティでは物おじしない言動で爪痕を残し、ドラマや映画では確かな存在感を刻む。その一方で、先輩芸能人からは不思議なほど可愛がられる──。木村拓哉主演の映画(※1)『教場 Reunion/Requiem』に抜擢された猪狩蒼弥は、STARTO ENTERTAINMENT所属のジュニアグループ、(※2)KEY TO LITの一員だ。事務所の先輩のみならず、大御所芸人からも評価の高い、今芸能界で最も愛される“後輩力の秘密”とは──。――まずは映画『教場』への出演が決まったときの思いから聞かせてください。
猪狩:最初は「なんで俺なんだろう?」と思いました。ジュニアのなかで俳優をメインにした動きをしている人はほかにいますし、自分はバラエティ番組での色がついている。もちろん、ありがたい話だなと思いました。
――猪狩さんは、警察官を目指す生徒のなかで、観察眼に優れていて絵を描くことが得意な生徒の渡部流を演じています。
猪狩:最初に設定を聞いたときは、張りつめた緊張感がある教室のなかで勝手に絵を描くって、相当神経が太いなと思ったんですよ(笑)。強心臓で観察眼と行動力の両方を併せ持っているって、結構すごいキャラクターだなと。でもクラスのお調子者の生徒とふざけるようなシーンもあったので、つかみどころがない人物だなと思いましたね。現場でセリフを少し変えさせてもらったりして、自分が納得のいくキャラクターにしていきました。
◆主演・木村拓哉の姿勢から学んだこと
――セリフ変更は(※3)中江功監督に相談しながら、作っていったのでしょうか?猪狩:いえ、実は監督に聞くのは野暮だなと思ったので、ほぼ自分で考えましたね。というのも、木村(拓哉)さんがご自身で考えて組み立てるような作り込み方をされるので、番手が下で事務所の後輩でもある自分が監督に頼ってしまうのは違うんじゃないか……と。でも監督とは2回くらいごはんには行き、演出した後輩たちの舞台『大脱出~Escape Run~』のことや、ウチの会社の話などをしました。
――木村さん自身が組み立てるというのは、具体的には?
猪狩:リハーサルでまず木村さんが動いて、それを見て監督が絵を決める。主演は一挙手一投足に責任を持って作品を自分色に染めていくことが大事なんだな、とすごく勉強になりました。

