◆デビューできていないので、すごく悔しい
――今、目指すところは?猪狩:ありがたいことに、いろんな仕事をいただいているので、「もう満たされているんじゃない?」と言われることもあります。でも、まだCDデビューできていないから、1ミリも満足していないんです。第一関門を越えられていない感覚がずっとあって、いわばマラソンのゴールが見えているのに、そこに辿り着けていない状態。今は執念で走っている途中です。バラエティに出させてもらっても、その事実がずっと引っかかっている。ウチの事務所ではCDデビューしてからが一人前なので、自分のなかではまだ半人前だと思っています。その“判子”をもらえていないことが単純に悔しいですけど、試験があるわけでもないし、タイミングもある。KEY TO LITとしてデビューするために、目の前のことを必死にやっていきます。

猪狩:最初に声をかけてくれたのがこの事務所だったから、というシンプルな理由です。育ててもらった場所にちゃんと結果で返したい。こう見えて、そういう義理堅さを大事にしています。なので、誘ってくれたところが違っていれば俳優やラッパーになっていた可能性もあるし、この世界では仕事をしていなかったかもしれない。芸能界に入らなければ、検察官や弁護士になりたいと思っていました。
――お若いながら、そのブレない強さの根源となっているものは何でしょうか。
猪狩:祖父がスーツのテイラーの仕事をしていたんですが、パンクで豪快な生き方をした人で、口癖が「身だしなみを大事にしろ、カッコつけろ」だったんです。その影響もあって、ビシッと服を着こなしている人でありたくて。実は、今日着ているスーツも祖父が仕立てたものなんですよ。それに、この前たまたま書店に行ったら祖父を特集した本が売ってて、そこには僕も知らなかったルーツがいろいろ書かれていたんです。カッコいい生きざまだなと憧れると同時に、死んでからが勝負というか、こうやって語り継がれる伝説をいかにつくれるかが大事だなと痛感しました。そのために自分が思うカッコいいを貫き続けて、“猪狩蒼弥”という名前をデカくしていきたいです!
【Soya Igari】
’02年、東京都足立区出身。主な出演作にドラマ『恋の病と野郎組』、映画『先生の白い嘘』など。現在、日本テレビ系『ZIP!』内「キテルネ!」にリポーターとして出演中。4月25日からの舞台『AmberS -アンバース-』(EX THEATER ARIAKE)への出演を控えている
(※1)『教場 Reunion/Requiem』
未来の警察官を育成する学校=教場を舞台にした人気シリーズの映画版。長岡弘樹のミステリー小説を原作に、木村拓哉が鬼教官の風間公親を演じて新たな代表作となった。前編の『教場 Reunion』はNetflixにて配信中。後編の『教場 Requiem』は2月20日より劇場公開される
(※2)KEY TO LIT
昨年2月に結成された、猪狩が所属する5人組のグループ。昨年、5都市20公演で初のアリーナツアーを成功させた
(※3)中江功監督
1988年、フジテレビ入社。’20年に放送された『教場』第1作より演出、プロデュースを兼任。『プライド』など木村拓哉主演のヒット作も数多く手がける
(※4)中丸雄一
KAT-TUNの元メンバーで、猪狩が慕う先輩の一人。YouTubeの「中丸銀河ちゃんねる」では、2人の温泉旅行の動画などが人気を集めている
(※5)『ぽかぽか』
フジテレビ系で放送中のバラエティ番組。昨年10月にゲスト出演した猪狩は、月曜レギュラーの伊集院光に誕生日プレゼントとしてサングラスを贈った
(※6)『踊る!さんま御殿!!』
日本テレビ系で放送中のトークバラエティ番組。猪狩は“謝罪の天才”として明石家さんまとトークバトルを繰り広げるなど、出演するたびに話題に
取材・文/細谷美香 撮影/鈴木大喜 ヘアメイク/浅津陽介 スタイリング/小林洋治郎
―[インタビュー連載『エッジな人々』]―

