医師はいつから「偏差値エリート」になったのか。勉強のできる医師はこうして作られた

医師はいつから「偏差値エリート」になったのか。勉強のできる医師はこうして作られた

「頭さえ良ければ医者になれる」──そんな常識は、じつは近代以降に作られた“ルール”にすぎない。薬を化学で設計し、疫学を数学で回し、特許論文を英語で書く。その構造が、人格より学力を優先する医師像を量産した、と歯学博士の吉野敏明氏は著書『医療奴隷』で指摘する。かつて治療者に求められた慈悲や倫理は、なぜ選抜から外されたのか。医師が「高収入ゲームの勝者」になるまでの歴史を紐解く。

※抜粋書籍/『医療奴隷』

歯学博士・吉野敏明氏

◆●医師はいつから学力勝負に?

アロパシー医学が台頭する前の時代では、ホメオパシー医学やカイロプラクティックは、アメリカで非常に優秀な成績を残していました。しかし、その利権が欲しい人たちにしてみれば、健康の分野で優秀な成績を残すということは、お金の流れを失うということにつながります。
そこでいまから100年以上前、アロパシー派は、徹底的にホメオパシー派を弾圧するという暴挙に出ました。その攻撃は、カイロプラクティックの医師にまで及んだのです。

こうして世界がアロパシー医学に席巻されてから、時代の動きに伴い、医師の性質も大きく変わってしまいました。

学力だけあるような人が、医師になれる時代が訪れたのです。

いまでは当たり前のようになっていますが、もともとは学力だけが高くても医師になることはできませんでした。むしろ、慈愛や神との契約など、人格的に優れた人こそが医師になっていたのです。

◆●勉強のできる医師はこうして作られた

この仕組みがどのようにして変化していったのか、簡単に説明しましょう。

まず、薬は化学によって作られます。そのため当然ですが、化学を勉強していないと、薬物を取り扱うのは危険だと考えられるようになりました。

そして次に、数学を学ぶ必要が出てきます。

これは「疫学」という学問にも通じます。たとえば、東京都中央区にどういう病気の人がいるかを調べたとしましょう。

統計を取ったら、〇〇という病気が多く、そのなかでも男性はこういう症状、女性はこういう症状になるという傾向があったとします。

ほかにも20代はこう、30代はこう……と、さまざまなデータが取れたところで、これを中国の長春市と比較してどうか、あるいはニューヨーク市と比較してどうか、ということをやっていきます。

そうして統計学的に東京都中央区では有意に○○という病気が多いとわかると、「こういう薬を出せば治るのではないか」とか「○○という病気にならないためには、こういうワクチンを打てばいいのではないか」などと展開していくことができます。

よって、薬理学のためには化学が必要ですし、疫学のためには数学が必要になってくると言えます。


配信元: 日刊SPA!

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