しかし、デビュー当初から現在に至るまでコンビとしてのブレイクには至らず。長年のバイト生活の末、現在はフードデリバリー配達員の仕事に明け暮れる日々を送っているという。
いわゆる“バイト辞められない芸人”なのだが、おさむさんは2007年に結婚。2人の子どもに恵まれ、東京での妻子4人の暮らしをほぼ1馬力(自身の時給バイトとフードデリバリーの仕事だけ)で支えてきた。しかも、この春から長女は大学生だという。
なお、大和総研が2023年に発表した最新調査では、「東京都23区に住む30代子育て世帯」の世帯年収の中央値は1000万円に迫る勢い。結婚・出産に必要な経済条件がインフレ化する中で、おさむさんは結婚生活や育児をいかに成立させてきたのか?芸人・夫・父として何を考えてきたのか? 何も考えてこなかったのか? 本人に直撃した。

◆第一子誕生の喜びと焦り、収入はギリギリ
――2007年に長女が生まれたとき、おさむさんは36歳。芸人として経験を積み、モチベーションも上向いていた時期だったんですね。おさむ:家族が増えて嬉しい気持ちは大きかったです。ただ、相変わらずのバイト生活で「やべえな。俺、この稼ぎで親父なれんのかな?」と、正直に思いましたね。かみさんに「一人っ子は寂しいから、2人目がほしい」と言われたときも、「おっ、大変だぞ?」と。
――2009年に上京したときは、どういう暮らしぶりだったんですか。
おさむ:芸人がみんな「ルミネの劇場に直接行ける場所がいい」と言うので、新宿に出やすい家賃12万円の窮屈な2LDKにずっと住んでいました。最近、近所に引っ越して今は家賃15万円くらい。家賃が高くてしんどいです。「ルミネtheよしもと」に出る芸人さんは、やっぱり売れっ子なので、そんなに負担ではないんでしょうね。一方で、俺は全くルミネには立ってないから……。
――東京では主にどんなバイトをしてきたんですか?
おさむ:フードデリバリーの配達以外だと、居酒屋チェーンのバイトが最長で6年くらいですね。
――奥様から「お金と育児には口を出すな」と言われている」とのことですけど、時給バイトだけだと、頑張っても月収30万円前後が限界ですよね。
おさむ:なのでギリギリの生活だったと思います。どちらかというとアウトですよね。言わないだけで、相当やり繰り工夫したり、もしかしたら親から借金とかもしたりしたのかもしれないです。
◆娘の大学進学を推薦入試の当日に知る

おさむ:宅配便バイトの職場にUber eatsの配達をしている人がいて、俺も隙間時間にやってみようかなと。コロナ禍以降は、ほぼフードデリバリー専業です。
――フードデリバリー専業の所帯持ち生活って、具体的な想像ができないんですが、例えば家族旅行したことはありますか?
おさむ:家族揃って帰省したことはないです。よく考えてください。新幹線代だけで大変ですから。たまたま福岡で僕の仕事があって、向こうで合流したことはありますけど。まあ、お金も掛かるし一家揃っての旅行はないです。
ただ、何かとお金が掛かるという話の余談ですが、僕以外の3人、中2の息子と高3の娘、嫁はApple Watchを持っていますね。おかしくないですか? 「中2でApple Watch本当にいるか?」と。
――(笑)。
おさむ:つい半年ほど前、僕が帰宅したら「家族で焼肉行ってきた」と息子に言われたことがあって。「俺は家族に入っとらんのか」と思いましたけど。何気に習い事も小さい頃からしっかり嫁がやらせています。
――ご息女の大学進学も、かなり急な報告だったとか。
おさむ:嫁からいきなり「今から大学の推薦入試です」と告げられ、「え、それ当日に言うの?」と。
――そんな軽い感じだったんですか。
おさむ:1週間くらいで合否が出るという話だったのに何も言ってこないので、「もしかして落ちちゃった?」と聞いたら、「あ、ごめん。受かってたよ」みたいな。きっと娘も真面目に学校で頑張っていたんでしょうね。娘がどこの高校に通っているのかも、実は俺よくわかってないんですけど。
――おさむさんって、もしかして自分の子どもにあまり関心ないタイプですか。
おさむ:いや、ありますよ(笑)。「お金と育児には口を出すな」と言われているし、なんか似たような名前の高校が近所にいっぱいあって、聞いても覚えられないんです。何度も尋ねたら怒られるし、年頃の娘なので距離感は感じます。

