「飲食店とはいえ、孤独死の現場に引けをとらない悲惨な状態も珍しくありません」
都内を中心にさまざまな現場で特殊清掃を手がけるブルークリーン株式会社で働きながら、特殊清掃の実態を伝える登録者5万3000人以上のYouTubeチャンネル「特殊清掃チャンネル」を運営している鈴木亮太さんに、詳しい話を聞いた。
◆ケーキ屋が閉店、清掃に入ると「まるでゴミ屋敷」

「不動産屋からの依頼ではなく、飲食店オーナーからの直接の依頼でした。経営されてた方が、脳出血で倒れてしまったようで、しばらく営業できない状況だったそうです。闘病しながら店を続けるか悩んでいたらしいのですが、どんどん月日が経ってしまい、再開の目処がたたなくなってしまったそうです。泣く泣く引退を決意され、店じまいの清掃を頼まれたのです」
そこで現地に行ってみたところ、尋常じゃない数の害虫に驚いたとか。
「見積もりの段階で現場に入ると、食料品の腐った臭いが充満していました。お店の広さは大体40平米、家で言うと2LDKくらいの広さです。ケーキ屋さんだったようなのですが、数週間放置してしまったようで、虫がものすごく湧いていて。とくにゴキブリが尋常じゃない数いました。そろそろ12月になるといった時期で寒くなってきたはずなのに害虫の量が真夏以上でした。歩くたびゴキブリが出てくるような感じで、冷蔵庫を開けると牛乳などが全て腐っていて、冷蔵庫のふちにゴキブリが何匹もいました」

「まず初日に、この湧いた虫たちをなんとかしなくてはということで、殺虫剤を撒きました。翌日店に入ってみたところ、見積もりの段階の何倍も虫の死骸があって、びっくりしました。きっとどこかに隠れていたのでしょう。数で言うと何千匹で、小さいゴキブリから大きいゴキブリまで……。おそらく外から入ってきた後に卵を産んで、孵化したのだと思います。
殺虫剤でもまだ死んでおらず、足をバタつかせて死にかけてるのもいて、背筋がゾワゾワゾワとなりました。正直いうと、ちょっとトラウマになるレベルです。虫が苦手な人だったら卒倒しちゃうレベルなんじゃないかなって」
◆お客さんから見えない部分はひどい有様だった
作業的な難易度はそこまで高くはなかったが、視覚的に厳しいものがあったそう。「人が一生の間に目撃するぶん以上のゴキブリに遭遇したと思います。自分自身、こんな仕事についておきながら、虫が苦手というのがありまして……。でも仕事なので、そうは言っていられず、なんとか気合いを入れて清掃にとりかかりました。よくYouTubeで大量のゴキブリがマンホールから出てくるみたいな動画あるじゃないですか。あの数を遥かに超えていました」
店主の体調の悪さが影響していたのか、もともと厨房が散らかり気味だったそう。


「もしかしたら体調が悪い日が続いて、店も休み気味だったのかもしれません。とにかく退去できるスケルトン状態まで戻さなきゃいけない感じで、冷蔵庫もひどい悪臭でしたが、レンタル物だったので返せるくらい、きれいに清掃をしなくてはなりませんでした。ただ、依頼主が病院に入院中ということで、資料が手元になかったみたいで、どの業者に返すのかなどもわかっておらず、こちらで全て調べて返却までさせていただきました」

