
春を代表する花といえば桜。多くの人が思い浮かべるのはソメイヨシノですよね。ですが、日本にはそれより少し早く咲く「早咲きの桜」が何種もあります。濃い紅色の花を咲かせる寒緋桜、やわらかなピンク色が人気の河津桜。そして、埼玉県坂戸市では早春の風景を彩る「安行寒桜」の並木が3月中旬に見頃を迎えます。
ひと足早く春の訪れを感じられる、早咲きの桜の魅力とともに、約1.2kmに渡る桜並木が続く「北浅羽桜堤公園」をご紹介します。
早春に咲く、個性豊かな早咲きの桜

桜といえば春の象徴ですが、品種によって開花時期は大きく異なります。特に早咲きの桜は、まだ寒さの残る季節に花を咲かせ、春の始まりを感じさせてくれる存在です。

南の地域で多く見られる「寒緋桜(カンヒザクラ)」は、濃い紅色の花を下向きに咲かせるのが特徴。寒さの中でも鮮やかな色合いが際立ち、冬から春へ移ろう季節を印象づけます。

また、静岡・河津町で知られる「河津桜(カワヅザクラ)」は、早咲きでありながら花の期間が比較的長く、濃いピンク色の花が枝いっぱいに咲く華やかな桜です。河津町以外にも各地で植栽され、早春の花景色を楽しめる桜として人気があります。

こうした早咲きの桜は、ソメイヨシノが咲く少し前に春の気配を運んでくれる存在。まだ冬の空気が残る季節に、ふと目に入る桜の花は、季節の移ろいを実感させてくれます。
約1.2kmの桜並木が続く北浅羽桜堤公園

埼玉県坂戸市にある北浅羽桜堤公園は、関東でもひと足早く桜を楽しめる早春の名所として知られる場所です。越辺川の堤防沿いには、約200本の「安行寒桜(アンギョウカンザクラ)」が植えられ、やわらかなピンク色の花がひと足早く春の訪れを告げてくれます。
この桜並木は、身近な自然を生かした新たな桜の名所として整備されたもの。2000年(平成12年)に、入西北部土地改良区が施工する事業の一環として堤防敷地を活用し、国土交通省や入西北部土地改良区の協力のもと整備が進められました。幅約18mの歩道に、延長約1,200mにわたって桜が植えられ、現在の美しい桜並木が形づくられています。

堤防に登って並木を見下ろしたり、並木道を歩きながら頭上に広がる桜のトンネルを楽しんだりと、視界の開けた風景のなかでゆったりと花見を楽しめるのも魅力です。空の青と桜のピンクが織りなすコントラストも印象的で、早春ならではの穏やかな景色が広がります。

関東地方でもひと足早く春を感じられる桜として知られている安行寒桜は、埼玉県川口市の安行地区に由来する早咲きの桜です。淡い紅色の一重の花を咲かせ、一般的なソメイヨシノよりも2~3週間ほど早く開花するのが特徴。例年の見頃は3月上旬から中旬頃(2026年は、例年より少し早く3月10日時点で8分咲き)。まだ本格的な春を迎える前の景色をやさしい花色で彩ります。
早咲きの桜をこれほど長い並木として楽しめる場所は全国的にも多くなく、安行寒桜の列植景観を満喫できる貴重なスポットとなっています。
