
梅を愛でたあとは珈琲と骨董を。
奈良時代、日本で花見といえば桜ではなく梅だった。『万葉集』では、梅を詠んだ歌が桜の倍以上にのぼるほど。そんないにしえに思いを馳せたくなるのが早春の『北野天満宮』だ。境内には約1500本の梅の木が植えられ、白や紅の花が目を楽しませるとともに、ほのかな香りがあたりを包む。2月から3月にかけて公開される梅苑では、珍しい品種を愛でるのも、この季節ならではのひととき。
梅を堪能したあとは門前の名物『粟餅所・澤屋』の粟餅や『坂田焼菓子店』での買い物も捨て難いけれど、一条通へと移ってきた『伴奏珈琲店』へ。かつての喫茶店を改装した空間はミニマルで、扉越しに入る日差しも心地よく、上質な音楽とともに余韻に浸らせてくれる。
もうひとつ、北野天満宮といえば毎月25日の天神さんを思い浮かべる人も多いだろう。骨董つながりで足を運びたいのは『こっとう画餅洞』。時代も国籍も問わず、日々に取り入れやすい器から、存在感のある民間仏までが並ぶ。骨董と向き合う時間もまた、界隈の散策の楽しみだ。

