◆複数のコンカフェ嬢を“推し”に

「過去にタイプの女性からアプローチされたこともありますが、価値観が合わなかったり、束縛する人だったら面倒だなと思って避けてしまいました。でも、今は行きつけのコンカフェが5店舗ほどあるから、案外充実していますよ。僕は一人のコンカフェ嬢にガチ恋したりはせず、複数推しを作って店舗や推しの店外イベントになるべく顔を出して、しっかりお金を落とすようにしています。できるだけ感じよく接する“良客”でいることで、互いに心地よい関係が築けますから」
大谷さんがコンカフェ嬢に使う金額は年間200万円ほど。「ある意味コンカフェ依存なのかもしれませんね」と苦笑する。生野氏はこうした「推し活」などの行為に依存するのも「回避型」の特徴であると指摘する。
「その背景には拒否的な養育環境がベースとなっていることがあります。どれだけ泣いて不安を訴えても親が受け止めてくれず、むしろ否定的な対応をとられるといった体験が積み重なり『自分の気持ちはどうせ伝わらない』と学習してしまうのです。人は自分を受け入れてくれないという信念から、自力でコントロールでき快楽が得られるモノ(例:酒や過食)、行為(例:ワーカホリック)に依存する傾向があります。店の女性との付き合いも、一見すると人への執着に思えますが、お金でコントロールできるという安心感が前提となっているため、モノや行為への依存と近いのです」
◆アタッチメント・スタイルは「性格診断」とは異なる
このように自分自身を知る一助となるアタッチメント・スタイルだが、注意したいのは「回避型」や「とらわれ型」といったこれらの名称は、その人の性質そのものを指す言葉ではないということだ。「これらの型はあくまで『その人が親密な他者とどう関係を築くのか』を示したテンプレートであり、それゆえ、別の人との関係ではアタッチメントの安定性が異なることもあり、さらに同じ人との関係であっても時間の経過とともにカテゴリーが変化していく可能性も秘めています。少なくとも『幼少期に親から〇〇されたから回避型になる』など、単純なイコールにはなりません」(生野氏)
たとえ親との関係が不健全だったとしても、その後の人間関係のなかで『安定型』へと変わっていくこともある。アタッチメント理論によって表現されるアタッチメント・スタイルは、そうした可能性までも示してくれる概念なのである。
生野信弘氏
医学博士、精神科専門医。対人関係療法による過食症の治療およびトラウマ関連疾患の診断と治療を専門としている。最新刊は『一人がいいのに独りはさびしい』
取材・文/中村よしこ
―[4つの型でわかる 人間関係がうまくいかない原因]―

