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お父様、実はご相談があって…〈年金月36万円・資産1億1,500万円〉60代富裕層夫婦の“穏やかな老後”を奪った、月収100万円・才色兼備な34歳愛娘からの「まさかのひと言」【FPが解説】

お父様、実はご相談があって…〈年金月36万円・資産1億1,500万円〉60代富裕層夫婦の“穏やかな老後”を奪った、月収100万円・才色兼備な34歳愛娘からの「まさかのひと言」【FPが解説】

代々の資産を守り、娘には最高の教育と縁談を用意してきた――。そんな自負を持つ父親にとって、娘からの妊娠報告は本来、家系の繁栄を意味する「祝報」のはずでした。しかし、母娘のあいだで密かに合意され、最後に父へ突きつけられたのは、家風や格式を根底から覆すような「型破りな選択」で……。資産があるからこそ、単なる個人の問題では済まされない「相続」や「世間体」という重圧。愛娘の幸せを願う気持ちと、家を守る責任の狭間で、父親が直面する苦悩の正体に迫ります。※波多FP事務所の代表ファイナンシャルプランナー・波多勇気氏のもとに寄せられた相談から、許可を得て、プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更して記事化しています。

愛娘の告白「結婚はしません。子どもは産みます」

橘さん(仮名/67歳)は、地方銀行の元支店長として38年間勤め上げ、退職後は厚生年金を月約22万円受給しています。妻(65歳)も元教員で、年金は月約14万円。夫婦合わせた月収は36万円を超え、両親の相続が発生したこともあり、自宅のほかに金融資産は約1億1,500万円。傍からみれば、まさに「老後の勝ち組」です。

一人娘(34歳)は、都内の有名私立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に勤務。月収は100万円で、橘さんが懇意にしていた取引先の御曹司との縁談も、水面下で進んでいました。

「私に似ず、妻似の美人でね。親バカですが、欠点のない娘でした。来月、先方のご両親にもお会いする予定でしたので、私も楽しみにしていたんです」と橘さんは当時を振り返ります。

ところがその縁談の話し合いを翌週に控えた日、娘が実家を訪ねてきました。食事のあと、改まった様子でこう切り出したのです。

「お父様、実はご相談があって……」

続いて告げられたのは、妊娠5ヵ月であること。そして、相手は職場の同僚である外国籍の男性であること。さらに、結婚はせず、子どもは産み育てるつもりであるということでした。

「妻は事前に知っていたようでした。私だけが、なにも知らなかった」

橘さんはしばらく言葉が出なかったといいます。喜びよりも先に、頭の中を駆け巡ったのは「相続はどうなる」「世間への説明は」「取引先のご縁談は」という現実的な問いでした。

非嫡出子が生まれる場合、相続と資産管理はどう変わるのか

日本では、婚姻関係のない男女のあいだに生まれた子どもを「非嫡出子」と呼びます。かつては法定相続分が嫡出子の2分の1に制限されていましたが、2013年の最高裁大法廷決定を受けた民法改正により、現在は嫡出子と同等の相続権が認められています。

母子関係は出生により当然に成立し、娘が未婚のまま子どもを産んだとしても、その子どもは娘の正式な法定相続人です。一方、これから生まれてくる孫にとっての祖父母にあたる橘家の相続については、娘が生存している限り、孫には法定相続権は自動的には発生しません。孫が橘家の遺産を相続できるのは、娘が祖父母より先に亡くなった場合の代襲相続、または遺言による遺贈や養子縁組を行った場合に限られます。

問題はそれだけではありません。相手の男性が認知を行った場合、その子どもは父親側の相続権も発生します。橘さんの孫が、まったく面識のない外国籍の男性の家族とも法的に結びつくことになるわけです。

「資産が、どこにどう流れるかわからなくなる恐怖がありました」と橘さんはいいます。

「選択的シングルマザー」の増加

現在、日本における非嫡出子の出生割合は約2.4%と、欧米諸国(フランス約61%、スウェーデン約55%)と比べると著しく低い水準です。しかし、女性の経済的自立が進んだことで「選択的シングルマザー」の数は静かに増加しており、都市部の高学歴・高収入女性を中心にその傾向が顕著になっています。

橘さんの娘のように月収100万円を超える女性が、あえて婚姻を選ばずに子どもを持つケースは、もはや例外とは言い切れない時代です。

「娘の自立心は誇らしいとも思う。ただ、私が守ってきたものはなんだったのか、という気持ちも正直あります」

橘さんのその言葉には、父親としての誇りと、時代への戸惑いが混在していました。

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