黒字リストラと再就職の実態
Oさんのように、業績悪化ではなくキャリアの選択肢として早期退職に応じる中高年は増加傾向にあります。
東京商工リサーチの「2025年 上場企業『早期・希望退職募集』状況」によると、2025年における上場企業の同募集人数は1万7,875人に達しました。特筆すべきは、募集を実施した企業の約7割が「黒字」である点です。こうした企業は組織の若返りを目的に手厚い割増退職金を用意して退職を促していますが、その後の再就職には大きな壁が立ち塞がります。
また、マイナビキャリアリサーチLabの「ミドルシニア/シニア層のアルバイト調査(2025年)」によれば、定年退職経験者がその後の働き方で感じるイメージギャップとして、「思ったより給料が少ない(45.0%)」が最多となり、次いで「思ったより年収が下がった(43.7%)」が続くなど、中高年以降の再就職では大幅な収入減に直面するケースが一般的です。
多額の退職金は一時的な安心感をもたらしますが、翌年の重い税負担や、生涯賃金・将来の年金受取額の目減りという代償を伴います。手元の退職金だけに頼るのではなく、再就職後の手取り額を含めた長期的なマネープランを立てておくことが、早期退職で失敗しないための絶対条件といえるでしょう。
[参考資料]
東京商工リサーチ「2025年 上場企業『早期・希望退職募集』状況」
マイナビキャリアリサーチLab「ミドルシニア/シニア層のアルバイト調査(2025年)」
