初めてのオンライン面接
そんななか、管理職を募集していた企業からやっと1社、オンライン面接の連絡がありました。勤務していた会社よりかなり小さいですが、同じ業種ですし、「なんとかなるだろう」という軽い気持ちで面接に臨みます。
「うちはあなたがおられた会社に比べると小さいですし、人手も足りませんので、作業着を着て現場にも出向いてもらわないといけないこともあるんですよ。大丈夫ですか?」「ほかの部署が忙しいときも手伝ってあげてほしいんですよ」と面接でいわれ、Aさんはビックリします。大企業では仕事が部課などで細かくわかれており、ほかの部課の仕事を手伝うなどということはなく、デスクで悠々としていた自分には想像もつかなかったからです。
「管理職の募集と聞いていたのですが」とAさんが返すと、「Aさん、中小企業の管理職なんて名前だけですよ。管理職が一番動くんです。そうでないと会社なんて回りませんよ」と笑いながら返されます。さらに、「Aさんがいらっしゃった企業は大きいですから、当然、DXも進んでいるんでしょ。うちも早く進めたいんですが、なかなか難しくてね。うちの若い社員や専門の技術者なんかと一緒になって積極的に進めてほしいんだけど大丈夫ですか?」と聞かれました。
Aさんは画面をみつめながら、(自分はいじめられてるんじゃないか?)と感じました。Aさん自身ITは苦手ですし、部下に任せたり外注したりして直接携わることはなく、若手社員とはほとんど話すらしていません。「せっかく面接にたどり着いたのに散々な目にあった」と、Aさんは二度と就職活動をせず、家に閉じこもりがちになってしまいます。
ホワイトカラーが生き残るための必須課題
大企業のホワイトカラー職は、分業化が進んでいます。そのため、仕事の全行程での経験が少なく、60歳以降に新しい仕事を始めようとした際に「潰しが効かない」という印象を与えてしまうケースも。60代でさえ必要とされるITスキルの重要性は、再就職・起業・日常生活といったあらゆる面で高まっています。ITスキルはもはや「60代だからできなくてもいい」というものではなく、どの職種でも最低限は必要とされる「できて当たり前」のスキルになりつつあるのです。
2029年には、高校でプログラミングやデータ分析を学習してきた若手が大量に社会人になる年です。こうしたITスキルのある人材を狙っている企業は、すでに初任給アップや広告宣伝のための人材調整を始めています。資格や経験といった専門知識や強みのない人は、ITスキルを身に付けておかないと、時代遅れになってしまうでしょう。
