司法書士からの3つの提言
現場を見てきた立場から申し上げられることとして、まず、成年後見制度の構造的問題を正しく理解することです。月3万円をめぐる対立は、制度設計そのものの限界を示しています。
次に、早めの対策を検討すること。判断能力がしっかりしているうちでなければ、家族信託も任意後見も契約できないからです。
そして、画一的な制度に頼らず、家族の状況に応じた柔軟な選択をすること。専門家と十分に相談し、長期的な視点で判断することが重要です。
成年後見制度の現実は、理想とかけ離れています。報酬をめぐる訴訟、横領事件、そして専門職と家族の価値観ギャップ。これらの問題は、制度の根本的な見直しが必要であることを示しています。
しかし、制度改正を待っているだけでは遅すぎます。いま着手すべきは「認知症になる前の準備」です。従来の制度の限界が明らかになったいまだからこそ、準備を急ぐことでできるだけ多くの選択肢を残し、現実的な対策を考える必要があるといえます。従来の常識・方法にとらわれず、新しい選択肢を検討する時が来ているのです。
佐伯 知哉
司法書士法人さえき事務所 所長
