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出合えるかは運しだい!? ブリオッシュが驚くほどもっちり。パリのワインバー『パッセリーナ』の塩味マリトッツォ。

出合えるかは運しだい!? ブリオッシュが驚くほどもっちり。パリのワインバー『パッセリーナ』の塩味マリトッツォ。

このポルケッタサンドが1週間経っても忘れられず。

取材依頼をして再訪すると、「今日はもうひとつサンドイッチを作れる」と言われた。それは、見てみたい。だいたい、この店ではサンドイッチ自体、メニューにあることが少ないのだから。運ばれてきた皿を見て、思わず「なにこれ〜!」と歓喜の声をあげた。なんて可愛いんだ! 塩味のマリトッツォだなんて。

通常、生クリームが詰められる箇所には、塩鱈のブランダード(ペースト状の鱈)が塗られている。上に盛られた鱒の卵がまた愛らしい。いくらだったらここまで可愛さを演出できないかもしれない。小粒さ具合の勝利に思えた。
見た目にノックアウトされていくら写真を撮ってもまだ撮りたい気がしたけれど、乾かないうちに食べなければ、とかじりつく。一人だったし押さえたが、今度は「ほぉ〜!」と驚きの声が出そうになった。意表を突かれた。ブリオッシュの生地はもちもちで、力強ささえ感じる弾力を持ち、濃い焼き色から連想するままに、表皮は厚めでバリッと香ばしい。ふわふわした印象が全くない。対照的に、ブランダードはしっとり、かつ、ふわっとさらっとしている。塩気も控えめで、ニンニクの主張もなく、オリーブオイルも全体をつなぐにとどめているのだろう、もったりしていない。至極食べやすい。私は、ブランダードを食べると胃がもたれてしまうことが結構ある。聞けば、ブランダードに加えるのが定番の、ニンニクを入れていないのだそうだ。

この写真でブリオッシュに弾力がある感じがわかるかなぁ。次回もしまたメニューにあったら迷わず注文します。
可愛くておいしいの具現化。自分でも作ってみたくなるけれど、これはブリオッシュ生地の質感が肝だと思う。

こんな食べ方があったか〜!と膝を打ちたい気分になった。このマリトッツォは、ブリオッシュとブランダードという主役それぞれが、一般的なイメージと逆転していると思った。ブリオッシュは硬派な印象で、ブランダードがとても優しい味だった。面白いなぁ。そうそう、鱒の卵は、その小粒さだけでなく、袋のぷちっとした歯応えでも存在感を発揮していた。

『Passerina』

44 Rue Traversière 75012 01-56-61-23-61 18:00〜24:00(金土〜翌1:00)土のみ12:30〜14:30 日月休  サンドイッチに出合えるかはその時のメニュー次第!

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文筆家 川村 明子

パリ在住。本誌にて「パリのサンドイッチ調査隊」連載中。サンドイッチ探求はもはやライフワーク。著書に『パリのパン屋さん』(新潮社)、『日曜日は、プーレ・ロティ』(CCCメディアハウス)などがある。Instagramは@mlleakiko。Podcast「今日のおいしい」も随時更新。朝ごはんブログ再開しました。

NEW STANDARDS / これからの、スタンダード。&Premium No. 149

これからの私たちの「もの選び」は、どのように変わっていくのでしょう。暮らしの道具や日々の装いにおいて「本当に必要なもの」を問い直すとき、まず浮かぶのが「スタンダード」という基準です。一時的な流行を追うのでなく、いつまでも着たい、使いたいと思えるもの。つくりのよさ、機能とデザインが生む美しさ、そして作り手の心が伝わるもの。しかし、センスのいい大人たちは「定番だから」という理由だけで、ものを選んでいるわけではないようです。もう一歩先に踏み込み、自らの感覚を物差しにして摑み取っているのは「これからの、スタンダード」。すでにスタンダードになっているものを深く知り、ときには失敗を重ね、時間をかけて使い続け、本当に信頼のおけるものと出合う。そういった丁寧な歩みこそが人それぞれのBetter Life をかたちづくるのだと&Premiumは思います。未来の定番を見つけ出すために必要なのは「自分を知る」こと。心地よくて誠実な「スタンダード」探しの入り口は、ここにあります。

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配信元: & Premium.jp

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