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日銀とFRBが動く“本当の有事”に富裕層だけが密かに「現金」を握りしめる理由【資産37億円の不動産投資家が警鐘】

日銀とFRBが動く“本当の有事”に富裕層だけが密かに「現金」を握りしめる理由【資産37億円の不動産投資家が警鐘】

「表面利回り3%」は、「デフレ時代の賃料水準」が前提

高度経済成長期と現在とで貨幣価値が大きく異なることからもわかるように、時間の経過とともに世界経済は成長し、貨幣価値そのものも変化する。土地実勢価格や不動産における相場と呼ばれるものも同じ構造だ。その過程で、世界的な需要と供給のバランス、政策金利、地政学リスク、エネルギー需給など、無数の要素が複雑に絡み合い、現在の物価水準が形成されている。

つまり、現在の不動産市場に売りに出ている物件の「表面利回り3%」という数字は、実は「デフレ時代の賃料水準」を前提とした利回りに過ぎない。

インフレに転じ、賃料が段階的に改定された後の実質利回りは、もはやその3%とはまったく異なるものになる。この「デフレからインフレへの移行」に伴い、思考のスイッチを切り替えられるかどうかが、今後の明暗を分ける。

高い改定賃料をテナントに提示…恵比寿ガーデンプレイスの戦略

わかりやすい例として、恵比寿ガーデンプレイスを挙げよう。もともとヱビスビールの工場跡地に造られたこの大規模商業モールは、現在、外資系ファンドによって取得されている。その戦略は極めて明快だ。

商業施設であるがゆえに、賃貸借契約の更新を拒むことが比較的容易であり、契約期間満了のタイミングで順次、インフレ環境を前提とした高い改定賃料をテナントに提示する。条件が合わなければ入れ替えを進め、最終的には現在の物価水準に見合った新賃料で再募集することで、投資利回りを引き上げていくという手法を取っている。

結局のところ、デフレであろうがインフレであろうが、元本毀損する可能性が極めて低い資産、すなわち「同じ価格で売れるもの」を、人の資本で購入し、人の資本で返済していくという原理は変わらない。

他人資本を最大限に調達し、時間をかけて自己資本へと転換していく。この資産形成のセオリーこそが、デフレ下でもインフレ下でも一切揺らぐことのない、本質的な資産形成の考え方なのである。

また、ステージが上がるほどに、有事対応を意識した資産配分をしていくといいだろう。資産が増えれば、有事であっても多少の融資を引けるようになる。たとえば、平時なら買いたい物件の半額の融資が出るという場合、有事の環境下でも1~2割の融資は引けるだろう。

有事かどうかの判断には、日銀やFRBといった各国の中央銀行の動きを見ればすぐにわかる。傷んだ経済を立て直すため、ほぼ間違いなく金融緩和が行われるからだ。もし世界の中央銀行が一斉に動いたら、それが本当の有事だ。ある程度ステージが上がれば、有事にも対応できる準備をしておきたい。

小林 大祐

不動産投資家

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