◆■ 数字が語る「早期離職」と、組織に今問われていること
「どのように接するのが正解だったのか、今でもわからない」――真田さんのこの言葉には、現場で向き合う多くのベテラン社員の本音が凝縮されています。①会社の「規模」で、これほど違う離職率
今回のエピソードの舞台は半導体関連でしたが、厚生労働省の同調査によれば、事業所規模による離職率の差は歴然としています。従業員5人未満の企業では大卒3年以内離職率が57.5%にのぼる一方、1000人以上の大企業では27.0%。その差は実に30%以上。大企業ほど教育体制が整っているとはいえ、それでも4人に1人以上が去っていく現実は重く受け止めるべきでしょう。
【事業所規模別・大卒3年以内離職率】
・5人未満 :57.5%
・5〜29人 :52.0%
・30〜99人 :41.9%
・100〜499人:33.9%
・500〜999人:31.5%
・1,000人以上:27.0%
(出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」2025年10月公表)
②「立替が当たり前」の職場で、すれ違いは起きる
出張費をめぐるBさんの不満は、実は多くの職場で起きていることでもあります。株式会社pringの調査では、「経費を自腹で支払ったことがある」と答えた会社員は64.4%。約3人に2人が、一度は自分の財布から業務上の費用を立て替えた経験を持つという現実があります。
出張費の仮払い制度を設けている企業もありますが、立替精算が「当然のルール」として根付いている職場も多いのが実態です。ベテラン社員にとっては「慣れて当たり前」のことでも、入社間もない社員にとっては、給与が振り込まれる前に数万円が財布から消えていく、切実な問題でもあります。
「会社のルールだから」と一言で片付けられたとき、新入社員の側に残るのは納得感ではなく、置いてきぼりにされた感覚かもしれません。ただ、上の世代の方々もまた、そのルールの中で必死に踏ん張ってきた人たちです。自分が当たり前だと思ってきたことが、いつの間にか「古い常識」になっていく——その戸惑いもまた、決して小さくはないはずです。
<取材・文・再構成/日刊SPA!取材班>

