定年後の独立・起業を選ぶシニア層の実態と老後資金のリスク
内閣府の「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」によると、60〜64歳男性の76.0%が収入を伴う仕事をしています。その就業形態を見ると、男性就業者の24.1%が「自営業主・個人事業主・フリーランス(家族従業者を含む)」として働いており、一定数のシニアが独立という働き方を選択していることがわかります。
現在の仕事を始めた時期については、「60〜64歳ころ」と答えた人が18.0%、「65〜69歳ころ」が12.3%となっており、定年退職前後のタイミングで新たなビジネスやフリーランスとしての活動をスタートさせるケースは少なくありません。
収入を伴う仕事をしている主な理由としては「収入のため」が55.1%で最も高く、老後の生活資金を稼ごうという意識がうかがえます。しかし、起業や独立が必ずしも順調に軌道に乗り、経済的な安定をもたらすとは限りません。
また、同調査によると、日常生活において収入より支出が多くなり、これまでの預貯金を取り崩してまかなうことが「よくある」「時々ある」と答えた人は、全体で61.2%にのぼります。60〜64歳の層においても、60.7%の人が預貯金を取り崩しながら生活している実態がうかがえます。
A太さんのように退職金を元手にオフィスを無計画に借りたり経費をかけすぎたりすれば、事業による収入(売上)がない状態では、あっという間に老後資金が底をついてしまう危険性があるでしょう。
[参考資料] 内閣府「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」
