◆「シニア×AI」の可能性
AIを駆使してバリバリ稼ぐ、65歳のおばあちゃんーーさゆっちさんのような事例は特殊なのか。AI人材の育成を手がけるSHIFT AIの木内翔大氏によると、会員数は現在3万人超。そのうち60代以上が11.3%を占め、入会動機の第1位は「副業・収入向上」だという。「60代以上の会員は学習意欲が特に高い。長年の社会人経験で培った業界知識や実務スキルにAIを掛け合わせ、AIコンサルタントや講師として活躍される方も増えてきています」
市場環境も変わっている。単純作業は自動化が進み、外部発注の案件は細る一方。ただその反面、企業のAI導入を支援できる人材は「需要に対して担い手が少ない状況が続いている」という。
「AIがいくら進化しても、何を解決すべきかという課題設定ができる人間の役割は、むしろ重要性を増しています」
さゆっちさんは言う。
「私の周りの同年代はパソコンすら持っていない人が多い。でも、私の感覚としては、AIを学ぶのは車の免許を取るより全然簡単です(笑)。1日1回、今日の夕飯何がいいかなって聞くだけでいい。逆に、『勉強してから使おう』なんて思ったら、たぶん一生使えません。難しいと感じたその瞬間が、始めどきなんです」
AIは、シニア世代の老後まで変えてしまうかもしれない。


