◆できれば早めに買ったほうがいい靴「29cm以上のサイズ大きめ」
ナイキ「エア マックス Dn」は33cmまで展開。2万1450円。写真は公式HPよりサイズが29cm以上で、ふだんから選択肢の少ない方は急いだほうがいいかもしれません。不況とのダブルパンチで、2月には「男の大きな靴専門店」として有名だった「靴のヒカリ」が倒産しました。23cm前後の比較的小さめのサイズは、レディースサイズで代用が効く場合もありますが、大きいサイズはそうはいきません。29~33cmなどの大きなサイズの方はオンライン購入がほとんどだと思います。秋冬以降、実質的に輸入が絞られると、真っ先に削られるのが29cm以上の大きいサイズです。今までは「いつもセールで残るからラッキー」程度に考えていたものが輸入すら止められてしまうと、なすすべがありません。ナイキは比較的大きなサイズがまだアウトレットショップでもオンラインでも残っていますし、実店舗で取り寄せもできるでしょう。加水分解しづらいモデルを数足確保しておいたほうがいいように思います。
◆できれば早めに買っておいたほうがいい靴「各メーカーのド定番モデル」
言わずと知れたニューバランス「CM996V2」。1万6940円。写真は公式HPよりあくまで個人的な推察の上、ということで読んでください。地味に一番ヤバいのがニューバランスやアディダス、ナイキやサロモンの「ド定番モデル」です。「原価高騰=価格高騰」というレベルではありません。材料が「ない」のです。つまり生産自体が一時的にでも止まる可能性が高い。ナフサ不足、石化工場の減産、サプライチェーンの停止が現時点で起きています。この悪条件はどの靴にも言えることですが、とりわけ「自分だけの定番靴」が決まっているなら、少しだけ早く買っておいたほうがいいかもしれません。定番モデルは「いつでも同じものが買える」ことで成り立っていますが、材料の供給が崩れると、まずサイズ欠けが起き、次にカラーが減り、入荷も不安定になります。結果はシンプルに欲しいサイズが、欲しいタイミングで買えなくなります。定番の怖さは値上げではなく、「いつでも買える」が崩れることです。
石油危機だからと言って、焦って全部買う必要はありません。ただし「いつでも買える」と思っていた靴ほど先に消える可能性は大きいです。いま必要なものだけを見極めて、静かに確保する。それが今回の危機で一番現実的な選び方だと思います。
【シューフィッター佐藤靖青】
イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます『シューフィッター佐藤靖青(旧・こまつ)@毎日靴ブログ』。著書『予約の取れないシューフィッターが教える正しい靴の選びかた』