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挨拶なし、業務中にスマホ…会長のコネで入社した新入社員が“数か月で消えた”意外な理由

挨拶なし、業務中にスマホ…会長のコネで入社した新入社員が“数か月で消えた”意外な理由

◆崩れ去った「後ろ盾」と豹変した態度

「長年にわたる大規模な粉飾決算が明るみに出たんです。脱税の規模も凄まじく、修正申告で済むレベルを遥かに超えていました」

 そのニュースが流れてからほどなくして、老舗だったその会社は経営の危機に追い込まれます。

 後ろ盾を失ったという事実は、誰が教えるまでもなく、あの新人社員の耳にも入ったはずです。

「それからの彼、目に見えて大人しくなったんですよ。以前のような、人を小馬鹿にしたような視線が消えて、どことなく所在なさげにデスクに座る時間が増えました。皮肉なものですよね、後ろ盾が消えた途端に、牙を抜かれたようになるなんて」

 もはや、会長に無理を言って親族を「丁稚(でっち)」に出す意味も、守るべき義理も消失してしまいました。かつての傲慢さは影を潜め、周囲の冷ややかな視線に耐える日々が数週間続いたといいます。

◆幕引きの瞬間

 そしてある日、ついにその時が訪れます。いつもは態度が大きかった彼が、自ら辞表を提出したのです。三好さんは、後に聞いたその理由に、少しだけ複雑な心境になったと明かします。

辞表
「本人曰く、実父から『よそで働いている場合じゃない。ウチがこれだけの社会問題を起こしたんだ。これ以上、会長の顔に泥を塗る前に辞めてこい」と厳命されたそうです。

 家業は火の車でしょうから、本来なら給料をもらえるサラリーマンを続けるべきだったんでしょうけど、最後は身内の不祥事で自ら幕を引かざるを得なかった」

 辞表が受理され、役員室から出てきた彼の姿を、三好さんは偶然見かけました。

 そこには、入社当時の鼻持ちならない覇気は欠片もなく、ただ肩を落としてうつむく、一人の心許ない若者の姿がありました。

「最後、荷物をまとめて会社を出て行く彼の後ろ姿を見て、少しかわいそうな気もしましたが……。でも、これが社会の厳しさだとも思いましたね」

 彼が去った後、職場にはようやく本来の平穏が戻りました。モンスター新人の短すぎる社歴は、周囲に教訓だけを残して幕を閉じました。

 三好さんは今、かつての静寂が戻ったオフィスで、今日も海外への建機輸出の指揮を執っているそうです。

<TEXT/八木正規>

【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
配信元: 日刊SPA!

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