無料の法律相談で背中を押され、淡々と遺産分割を進めることに
父親の遺言に難癖をつける兄弟。それでも、男性は「公正証書の意向が父の意向ではないというのは、おかしい」と感じていました。
そもそも、父親が生前、作成済みの公正証書遺言の内容をおかしいと感じていたのなら「公正証書を再作成すればいいだけであると思っていた」と男性。公正証書遺言は故人の遺志を反映したものであると信じていました。
とはいえ、兄弟間の話し合いが平行線をたどる中、男性にはある大きな懸念が。それは「相続税の申告期限に相続税の納税が間に合わないという時間的制約があった」ことでした。

事態を打開するため、男性は区役所などで行われている無料の法律相談へ。事情を説明すると、担当者から「あなたの主張はおかしくない」という力強い言葉をもらえたと言います。
さらに「それより納税が間に合わないと大変なので、淡々と遺産分割業務をすすめて、換金して、相続税申告と納税を急いだほうがいい」とのアドバイスを受けました。
兄弟間の会話はないまま分割した遺産を兄弟の口座へ。遺言書の大切さを実感したトラブル
法律相談でのアドバイスに背中を押された男性は、遺言執行人としての務めを冷静に果たすことにしました。
兄弟からの要求には耳を貸さず、「公正証書の記載内容を執行して、淡々と父の遺産の分割を進めていった」と男性。

兄弟間の会話はないまま、換金業務を進め「兄弟の口座にお金を入金」。あくまで事務的に手続きを完了させたそうです。
兄弟の主張に耳を貸すことなく、あくまで故人の遺志を尊重し、さらに法律にも則って行った当時の冷静な対応。男性は今も一切、後悔はしていません。
一方で、もし父親の遺言が公正証書でなければ、兄弟の主張に押し切られ、さらに泥沼の争いに発展していたかも……そんな危機感を男性は覚えたようです。
遺言には、法曹資格者などが公証人となる「公正証書遺言」のほかに、「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」といった種類がありますが、公正証書遺言以外の2つは後になって法律的な不備が見つかり、無効となるリスクも抱えています。
今回のトラブルを経て、男性は「遺言は公正証書にしないと危ない」と、身をもって学んだと教えてくれました。
(文:ママテナ編集部マネーチーム)
※この記事は、ママテナ編集部マネーチームが2026年4月、「お金にまつわるトラブル」をテーマに実施したアンケート(インターネット回答)に寄せられたエピソードを元に作成しています。
※写真はイメージで本文とは関係ありません。
