恋愛・婚活ジャーナリストである清葉アキコのもとには、老若男女関わらず、相談が集まってくる。これは「人生の後半戦を共に生きるパートナーを見つけたい!」という女性たちの物語。今回は、50歳の大台に乗り、結婚について語る親友・A子の話。
A子のプロフィール
50歳。大学卒業後、食品メーカーに勤務。営業職として、残業・休日出勤が当たり前!というハードな生活を送ってきた。「このプロジェクトが落ち着いたら…」「この仕事で成果を上げられたら…」と仕事中心の生活を送っていたことで、結婚をあと回しにして来た。モテないわけではなく、たいてい彼氏がいる状態だが、なぜかいつも結婚に至らない。
50歳誕生会の最後にこぼした涙

それは、学生時代からの友人・A子の50歳の誕生会のことだった。彼女と私ともうひとりの友人の仲良し3人組は、お互いの誕生日前後にステキな店で食事をするのが恒例だった。ちょっと特別感のあるステキなお店を予約し、どうでもいい話をしながら食事をし、最後にバースデーメッセージ入りのスイーツプレートが出てきたタイミングでプレゼントを渡す……。今回も、いつものように盛り上がるはずだった。
いつもと違ったのは、食後のコーヒータイムも終えようとしていたタイミング。プレゼントを手に写真撮影しているときまではいつものように笑っていたA子だったが、冷めかけたコーヒーカップを見つめて、ぽつりと言った。
「私、もう、ずっと独身で生きていかなくちゃいけないのかな……?」
30数年前に知り合って以来、会社や家族には言えない本音も言い合い、お互いのことはある程度、わかっていると思っていた。A子は20代後半から「結婚したーい(笑)」とギャグのように笑って言い続けていたし、仕事三昧の忙しい中でも、たいていの期間、彼氏がいたので、私たちは「そのうち結婚するだろう」と心配はしていなかったし、そこまで結婚願望が強いとは思っていなかったのだが、まさか、そこまで“独身でいること”を思い詰めていたとは……。
いつもなら「A子なら大丈夫でしょ!」と一笑するところだが、この夜は、そういう空気ではなかった。私ももうひとりの友人も、冷めたコーヒーカップを両手で包んで、残り少ないコーヒーを見つめながら、脳内でかける言葉を悩んでは打ち消していた。
すると、A子から鼻をすするような音がした。ふと顏を上げると、A子の頬には静かに涙が流れていた。
過去、仕事でつらい思いをしたときも、彼氏と別れたときも、泣きながらやけ食い&やけ飲みして笑い飛ばしていたが、こんなに静かに涙を流したA子を見たのは初めてだった。

