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悪妻か、愛ゆえか、「悪妻の日」に観たい映画3選

悪妻か、愛ゆえか、「悪妻の日」に観たい映画3選

『メイ・ディセンバー ゆれる真実』
©2023. May December 2022 Investors LLC, ALL Rights Reserved.


 世の中にはさまざまな記念日がありますが、ちょっと面白いのが、4月27日の「悪妻の日」です。いつ誰が制定したのかわかりませんが、そもそもこの日は紀元前399年に古代ギリシャの哲学者ソクラテスが毒杯を飲んで命を絶ったという俗説にちなんで「哲学の日」とされ、その妻のクサンティッペが悪妻として有名であったことから「悪妻の日」とされたようです。

 では、悪妻とは何かというと、浪費、不倫、品行不良、夫に従わないなど、要は夫が結婚したことを後悔する妻のことを指すと思われます。ただ、夫や男性側から見ればそうであっても、当人や女性側から見れば夫を愛するがゆえの言動だったり、夫の方がよほど身勝手である、ということも少なくないでしょう。

 夫婦について、妻について、あれこれ考えたくなる「悪妻の日」。そこで今回は、衝撃の不倫事件を起こした妻から悪妻として有名な妻、夫を罵倒する妻、といった過激な妻が登場する映画を紹介します。妻たちのふるまいの背景にも思いを馳せながら、ぜひ楽しんで観てください。

13歳少年と36歳女性が不倫、実在のスキャンダルを元に描く心理劇
『メイ・ディセンバー ゆれる真実』

『メイ・ディセンバー ゆれる真実』
©2023. May December 2022 Investors LLC, ALL Rights Reserved.

 1990年代にアメリカで起きた「メイ・ディセンバー事件」をモチーフに、第三者の視点を加えて、スキャンダルの渦中にあった登場人物たちの心情に迫るドラマ。実際の事件は、夫と子どものいる34歳の女性教師が12歳の少年と性的関係を持ち、妊娠したことが発覚し、実刑判決を受けたものです。まもなく女性は獄中で出産し、二人は出所後に結婚しました。

 映画では、二人の年齢や勤務先が変更されていて、ペットショップに勤務する36歳の女性グレイシーが13歳の少年ジョーと関係を持った、という風に描かれています。あれから時が過ぎ、今では成長した子どもたちと共に幸せな家庭を築いている二人。ところが、事件の映画化が決定し、グレイシー役を演じる女優のエリザベス(ナタリー・ポートマン)が、グレイシー(ジュリアン・ムーア)とジョー(チャールズ・メルトン)を訪ねてきます。

『メイ・ディセンバー ゆれる真実』
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 自分の息子のような年齢の少年に恋愛感情を持つ女性とはどのような人なのか? 彼らの暮らしは? 彼女のかつての夫はどう思っている? など、エリザベスはグレイシーとジョー、その周囲の人物に話を聞き、役を深めていこうとします。

『メイ・ディセンバー ゆれる真実』
©2023. May December 2022 Investors LLC, ALL Rights Reserved.

 元夫からしたら、グレイシーは悪妻中の悪妻でしょう。少年相手に不倫して事件を起こし、家庭をめちゃくちゃにした妻なのですから。では、ジョーにとってはどうなのでしょうか。エリザベスが彼らの生活に密着して根掘り葉掘り話を聞いてくることで自分と妻の関係を省みることになったジョーは、これまで目を背けてきた自身の思いに気付きます。

『メイ・ディセンバー ゆれる真実』
©2023. May December 2022 Investors LLC, ALL Rights Reserved.

 スキャンダルを起こした地で今も暮らしているグレイシーも異様ですが、役作りとはいえグレイシーに近づきすぎてだんだんと似てくるエリザベスもかなり異様です。この二人の女性が主役のようですが、真の主人公は13歳から事件当時のグレイシーと同じ36歳になったジョーといえます。

 被害者として、若すぎる夫として、常に好奇の目にさらされながらも家庭を築いてきた彼が、大人になった今、妻や人生に対して何を思うのでしょうか。そして、彼の人生を消費するメディアや大衆についても考えさせられる作品です。

『メイ・ディセンバー ゆれる真実』

2023年製作

DVD ¥4,400 発売中
発売・販売元:ハピネット・メディアマーケティング

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歴史に名を残す悪妻アントニーナの狂気の愛の真実とは?
『チャイコフスキーの妻』

『チャイコフスキーの妻』
© HYPE FILM - KINOPRIME - LOGICAL PICTURES – CHARADES PRODUCTIONS – BORD CADRE FILMS – ARTE FRANCE CINEMA

“世界三大悪妻”として名を挙げられるのが、ソクラテスの妻クサンティッペ、モーツァルトの妻コンスタンツェ、トルストイの妻ソフィアですが、もう一人有名なのが、本作で描かれるチャイコフスキーの妻アントニーナです。19世紀ロシアを代表する天才作曲家ピョートル・チャイコフスキーが同性愛者だったというロシアではタブー視されてきた事実を明らかにしながら、その妻の狂気の愛を描いています。

 地方貴族の娘アントニーナ(アリョーナ・ミハイロワ)は、おばの家で催されたパーティでピアノを弾くチャイコフスキー(オーディン・ランド・ビロン)を見て一目惚れ。おばに彼を紹介してもらい、恋文をしたためて熱烈にアプローチします。しかし、同性愛の噂が絶えないチャイコフスキーは、「自分はかなり年上だから」とアントニーナを拒みます。それでもアントニーナは求愛を続け、持参金をちらつかせて、ついに結婚にこぎつけます。

 ただし、チャイコフスキーの愛を勝ち取ったわけではありませんでした。彼は世間体から結婚したのか、根負けしたのか、おそらく両方からなのでしょうが、女性への愛情を抱いたことがないという彼との結婚生活はすぐに破綻してしまいます。

 これはもう出会ったのが運の尽きとしかいいようがない愛の物語でした。チャイコフスキーは病んで逃げて、アントニーナは盲目的に愛し、どちらも不幸になるだけ。アントニーナが愛していたのは、本当の彼ではなく、即興でピアノを弾いていたときの才気あふれる彼だけだったのかもしれません。夫に疎まれても愛することをやめない妻の愛は、純愛なのか、残酷なのか、考えさせられます。

『チャイコフスキーの妻』

2022年製作

Blu-ray ¥5,500/DVD ¥4,400 発売中

発売元:ミモザフィルムズ 
販売元:TCエンタテインメント

© HYPE FILM - KINOPRIME - LOGICAL PICTURES – CHARADES PRODUCTIONS – BORD CADRE FILMS – ARTE FRANCE CINEMA

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