2年目も楽にはならず、精神的に追い詰められ…
大学生活でアルバイト収入が安定しやすいのは、一般的に3年生以降といわれます。時間割に余白ができやすいためです。
2年生はまだ必修科目が多く、専門科目も増えます。春の履修が確定するまではアルバイトのシフトを増やせず、教科書代もかさむ。再び、春先は長男の収入が不安定になりました。
「『寝る間を削ってアルバイトをしなさい』とか『奨学金を増やしたらどうか』と言うのも、親として憚られます。でも、もう1円も余裕はないというのが本心です」
Aさん一家の支出は以下のとおり。
・住宅ローン:月10万円
・車のローン:月3万円
・長男の仕送り:約10万円
・次男(高校1年生)の塾代など:約3万円
ここまでで26万円。さらに、食費、光熱費、通信費、保険料、日用品費などを加えると、毎月の支出は少なくても40万円を超えます。
ボーナスは固定資産税や車検費用で消え、老後資金の積み立ては昨春から止まっています。赤字ギリギリの状態でなんとか踏ん張っている――そんなAさんでしたが、プレッシャーは少しずつ彼をむしばんでいました。
家族を養い続ける責任。終わりの見えない住宅ローン。仕事のストレス。気分の落ち込みや不眠が続きました。妻にも会社にも言えず、ひそかに心療内科を受診し、時々薬を飲んでいるといいます。
「3年生になって、さすがに追加の仕送りも減るはず。ですが、下の息子も、長男と入れ違いで大学進学を控えていて、都内を希望する可能性が高いですし、老後資金どころではない。ギリギリの状態がまだまだ続きますね……」
40代後半~50代前半は家計の“谷”の時期
40代後半~50代前半は子どもの進学、住宅ローン、さらに親自身の老後も視野に入る時期。世帯年収がある程度あっても、教育費と住宅費が重なると家計が厳しくなりがちです。
Aさんのように一般的な収入、平均的な家族構成、地方では当たり前の県外進学という選択。特別な贅沢はしていないのに、「普通」が家計を追い詰めています。このようなときの考え方として、ポイントがいくつかあります。
① 仕送り額は“固定費”に
足りない分をその都度送るという形をやめること。月10万円が限界なら、それを上限と決める。不足分は、奨学金の増額を検討する、アルバイト時間を調整する、息子の支出内訳を一緒に見直すなど、家族内で検討する。
② 「老後資金を止め続ける」ことを当たり前にしない
危険なのは、教育費が終わったら老後資金を再開すればいいと考えること。教育費が終わる頃には収入は伸びにくく、親の介護リスクが出てきて、自身の健康不安も始まるため、教育費と両立する最低ラインの積立額を、完全にゼロにしないことが重要。
③ 子どもに“お金の現実”を共有する
家計事情をある程度オープンにするという方法も。「出してもらって当然」ではなく、「家族で支え合っている」という認識が生まれる。
進学は子どもの成長の証。その裏側で、家計の固定費は確実に増えます。無理をし続ければ親子共倒れの可能性もないとはいえません。
万能の解決策がないからこそ、家族であらためて共有・協力することが必要です。
