
食の台所とともに街中の名物店へ。
すっかり観光色の強くなった『錦市場』にも、やっぱり足を運ぶことはある。料理道具の老舗『有次』、生麩や『山利商店』の白味噌を買いに行く『麩嘉 錦店』、お値打ちな魚が店頭に並んでないかとのぞく『丸弥太』、そして湯葉丼に手間ひまかけたおかずが魅力の『菜食 晴』の昼ごはんといった具合に、ここにしかない魅力があるのだ。
行き帰りに寄りたいのは麩屋町通から姉小路通に移転して、雰囲気を一新した『晦庵 河道屋』。広々とした席は快適さを増し、それでいて出汁は変わらず香り高いまま。メニューは絞られたものの、大好きな鴨なんばもある。街中で出汁が恋しくなったら、真っ先に思い浮かぶ存在。
ユニークさなら『アスタルテ書茶房』がとびきり。澁澤龍彥や金子國義らが愛した、耽美文学専門の個性派古書店『アスタルテ書房』が惜しまれつつ閉店したのは2024年のこと。’25年からは名を受け継ぎ古書店兼カフェバーとして新たな歴史を刻み始めた。マンションの一室で本とコーヒーの香りに包まれれば、つい時間を忘れてしまう。

