2026年5月から、電気代の明細に記載される「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」が1kWhあたり4.18円へ引き上げられます。制度開始(2012年)以来の過去最高値です。月400kWhを使う標準的な4人家族の場合、年間負担は約20,064円に達します。しかも電気を使う限り、この支払いを回避する手段はありません。
毎月の検針票をじっくり見ていない方も多いかもしれませんが、この賦課金は制度開始時の0.22円から今や19倍にまで膨らんでいます。なぜここまで上がったのか、そして私たちに何ができるのか──家計を守る知識と対策をまとめました。
出典:経済産業省「2026年度以降の再生可能エネルギー発電促進賦課金単価等を設定」(2026年3月19日)
19倍──知らないうちに膨らんでいた「隠れ負担」
経済産業省が2026年3月19日に発表した2026年度の再エネ賦課金単価は「4.18円/kWh」です。前年度の3.98円から0.20円引き上げられ、2012年の制度開始以来の過去最高を更新しました。適用期間は2026年5月検針分から2027年4月検針分までの1年間です。
数字だけでは実感しにくいかもしれませんが、推移を見ると2012年から値上がりが続いていることが分かります。
出典:経済産業省 ニュースリリース(2026年3月19日)/東京電力ホールディングス「過去の再生可能エネルギー発電促進賦課金単価」より作成
再エネ賦課金の単価は専門機関の予測さえ大きく上回るペースで上昇しています。環境省が2013年にまとめた推計では、賦課金のピークは「2030年に2.95円程度」とされていましたが、現実には、この数字を2019年の時点で早くも突破しています。
なぜ電気代に上乗せされ続けるのか
改めて「再エネ賦課金」とは、太陽光・風力などの再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取る費用を、電気を使う家庭や企業が使用量に応じて負担する仕組みです。毎月の検針票に「再生可能エネルギー発電促進賦課金」として記載されており、電力会社を変えても金額は変わりません。
この賦課金が上がり続けている理由は、大きく3つあります。
過去の高額買取契約が今も生きている
2012年の制度スタート当初、太陽光発電の普及を促すために事業用で1kWhあたり40円という高い買取価格が設定されました。この契約は20年間有効なため、現在も年間約4.85兆円規模の買取費用が発生し続けています。過去の高額契約の「支払い期間」が続く2032年頃まで、この構造は変わりません。
「相殺できる費用」が減っている
賦課金の算定には「回避可能費用」という差し引き項目があります。電力会社が再生エネルギーを買い取ることで、自社で発電せずに済んだコストのことです。2022~2023年に高騰していた電力市場価格が落ち着いたことで、この相殺額が縮小しました。結果として、買取費用が横ばいでも差し引き後の「実質的な国民負担分」が増え、単価が押し上げられています。
洋上風力・送電インフラへの費用が新たに加わった
電気事業法の改正により、2026年度からは大規模な地域間連系送電ケーブルの整備費用も賦課金の対象に追加されました。洋上風力発電の拡大に向けたインフラ投資が本格化しており、この新たなコストが賦課金をさらに押し上げる要因となっています。