◆「なぜか消えない痛み」の正体とは?
――その他に、この20年間で変わったことはありますか?松田 私が特に危惧しているのは、SNSの登場によって鬱傾向の人が増えたことです。
金森 鬱と身体の不調が、具体的にどのようにリンクするのですか?
松田 体感として、体は良くなっているのに、なぜか痛みが続いているという方が増えています。要するに、脳が誤作動を起こしやすくなっているわけです。
金森 なるほど。メンタルの不調によって、痛みの閾値が下がっているわけですか。
松田 そうなんです。そこで効果を発揮するのが認知行動療法で、鬱傾向にある患者さんには「今痛みありますか。ないですよね?」という問いかけからスタートしています。すると、「痛いと思っていたけど、そうでもないかもしれない」という方は意外なほど多い。そこに合わせて実践しているのが、ダイアリー療法です。
金森 日記をつけるんですか?
松田 そうです。その日に「やったこと」「よかったこと」「感謝したこと」「できるようになったこと」の4項目を書いてもらい、私たちが赤ペンを入れて「よくできました」と返す。大事なのは褒めてあげることで、幸せホルモンであるセロトニンを出すことで痛みが緩和しやすくなっていきます。

松田 実際その通りで、現場のメンバーに「どんな人が治りやすいか」と聞くと、「ダイアリーをちゃんと書いている人です」と言うんです。しかも、書ける文字量と治りやすさが面白いくらいに比例する。だから大切なのは段階を踏むこと。例えば、「半年後に温泉旅行に行きたい」という大きな目標を立ててもらい、「今300m歩くのが辛いから、1か月後には500m歩けるようにしましょう」と小さな目標を設定します。それを達成できたら、また褒めてあげる。ただし、褒めてばかりだと慣れてしまうので、ちゃんと指導する父親役と、より親身に寄り添う母親役に分けて飴と鞭でやっています。
金森 ステップを刻んで、絶対できることから自信をつけていく。セロトニンを増やすアプローチとして理に適っていますね。
松田圭太(まつだ・けいた)
理学療法士/整痛院ふつか総院長。医療現場での長年の経験をもとに、”3年以上続く痛み”に特化したクリニック「整痛院ふつか」を設立。のべ5万人を施術し、慢性疼痛治療技術「MSMメソッド」を6万人の治療家に指導。2025年「東久邇宮文化褒賞」受賞。YouTube登録者23万人超。著書に『腰痛は医者には治せない』(小学館)がある
金森重樹(かなもり・しげき)
東京大学法学部卒。作家、監訳者、ビジネスプロデューサー。糖質ではなく脂質に着目した「断糖高脂質」により2か月で30㎏以上の減量に成功、そのメソッドを書いた「ガチ速〝脂〟ダイエット」シリーズは累計10万部を突破。近著に『なぜヒトは脂質で痩せるのか』(扶桑社新書)。「旧石器時代になるべく近い生活様式を現代で再現する」ことをモットーに、食事、サプリメント、歩行、睡眠などの研究にも余念がない。2026年現在、バヌアツ共和国で暮らす。
【金森重樹】
行政書士・不動産投資顧問。東京大学法学部卒。25歳のときに1億2000万円の借金を負うも、マーケティング技術を活用して35歳で完済。その後、行政書士として脱サラし、現在は不動産、ホテル、福祉事業など年商100億円の企業グループのオーナーに。マイナスから超富裕層へと這い上がる。「徹底して理詰めで事に当たる」のがモットーで、長寿やダイエットに関心を持ち、わずか2か月で90kg→58kgの減量に成功。その理論の根幹を成す「断糖高脂質食」をはじめ、栄養学や人類学にまで領域を広め「脂で痩せる」という独自メソッドのブラッシュアップに余念がない 。著書は『なぜヒトは脂質で痩せるのか』(扶桑社新書)、『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速”脂”ダイエット』、『ガチ速“脂”ダイエット 極上レシピ大全』『120歳まで元気に生きる 最強のサプリ&健康長寿術』。公式X:金森重樹@ダイエットonlineサロン@ShigekiKanamori

