
名所の顔の向こう側にあるいいところ。
国内外から参拝者が押し寄せ、混雑ぶりは間違いなく京都トップの『伏見稲荷大社』。とはいえ無数の鳥居が連なる千本鳥居の眺めはやはり圧巻である。では混雑を敬遠して地元の人が足を運ばないかといえば、そうでもない。商売繁昌を願い、お一日(ついたち)参りを欠かさない人もいれば、一周約4㎞の稲荷山を巡る〝お山めぐり〞をする人もいる。名所でありながら、今も暮らしのそばにある存在なのだ。
では帰りにどこに寄るか。『喫茶ろく』は昭和初期に建てられた国登録有形文化財のカフェ。和洋折衷の空間も、ボリュームあるサンドやケーキも、目当てにしたくなる。
土産なら『総本家 宝玉堂』の一枚ずつ手焼きされる味噌煎餅を。鈴せんべいに辻占と呼ばれる占いがしのばせてあり、読む楽しさとともに、白味噌のコクのある煎餅を味わう幸せもある。名物にうまいものあり、の一品だ。
ほかにも伏見人形の『丹嘉』や、素朴な餅菓子が並ぶ『稲荷ふたば』、丁寧に焼き上げられた『エイト』のパンなど、実は買って帰りたいものが幾つも思い浮かぶ界隈。

