教育費と老後資金を両立するための「3つ」の対策
今後は、下記の3点を踏まえて家計全体を見直していくとよいでしょう。
1.学費負担の選択肢を広げる
まずは「教育ローン」の活用を検討することです。国の教育ローンは年収制限があり利用が難しい場合でも、民間の教育ローンであれば利用できる可能性があります。また、「奨学金」の利用も視野に入れるべきでしょう。場合によっては、ソウタさん自身にも「自分のキャリアへの投資」として学費の一部を負担してもらうことを話し合う必要があります。
さらに、「医者になったあと特定の地域で勤務すること」を条件に、学費が免除される制度を設けている私立大学もあります。こうした制度を利用できる大学への進学も、選択肢として検討すべきでしょう。
2.生活費の見直し
家計の見直しを始めるうえで、固定費をはじめとした支出の見直しは必要不可欠です。まずは、数年後の収入減を見据えてシミュレーションする必要があるでしょう。
3.収入を増やす
65歳の定年を迎えたあとも、可能な限り働いて収入を得ることを検討すべきです。専業主婦の妻がパートに出て、世帯年収を増やすという選択肢もあります。
「共倒れ」を防ぐ現実的な落としどころ
“老後ローン”は存在しない…教育費と老後資金の最適なバランスを探る
教育費が不足する場合には、「教育ローン」や「奨学金」といった制度を活用できますが、老後資金が不足しても“老後ローン”はありません。
もし1,500万円を教育費として使い切ってしまえば、将来、ソウタさんが両親の老後のサポートを一挙に背負う可能性もあります。それはソウタさんの人生の自由を奪い、親としても不本意なはずです。身の丈以上の教育費をかけるよりも、親が経済的に自立していることのほうが子のためでしょう。
その後、ヨウジさんはFPとともにキャッシュフロー表を作成し、教育費として支出できる限度額を可視化することにしました。
私立進学を選ぶのであれば、「不足分は奨学金を利用する」という条件をソウタさんに提示し、本人の覚悟を確認することにしたそうです。FPに相談したことで親としての覚悟も決まったヨウジさん夫妻でした。
山﨑 裕佳子
FP事務所MIRAI
代表
