2023年、銀行協会は「史上最高の大黒字」
それにつけても、銀行内の窓口の様子を見ていても「どうしてお客の数に比して、こんなに銀行員が少ないのだ?」と感じるわけです。
ははーん分かった、要するに、銀行は人件費を節約したいし、待つのが嫌ならオンラインにしたらどうだと誘導しているのであろう! 結局のところ、よくよく考えてみれば、それもこれも、銀行が人件費をできるだけカットしたい、そしてお客にアプリ決済などを勧めて、要は銀行が儲けるためにしていることに相違ないのです。
2023年は銀行協会は史上最高の大黒字だったというニュースを見ました。
それも、しかしひどい話です。
よろしいか、なにしろ私どもユーザーから預かった貯金には事実上利子など付けず、それでいて、自分の金をATMで引き出すだけで、一年分の利子の何十倍もの手数料をとっているのですからそりゃ儲かったでしょう。
そのうえ、もっと儲けるためには銀行員を減らせばいい。で、支店も減らせば経費がかからないし、手続きなども全部オンラインにしていけば、それはもちろん銀行は儲かるでしょう。
なぜ信用できないかには理由がある
以前はもっと数多くの都市銀行がありました。しかし、平成時代に銀行の大合併が行われて、いくつかの大銀行に収束したのが現在の姿です。ただ、どうも以前のシステムがどこかに残っているらしく、銀行間の不整合が起きた結果、突然システムダウンするというようなことが現実にいくらも起こっています。
そしてそういう不手際で顧客に多大の迷惑をかけておいても、なんの補償もしないという、このあこぎなる体質には、はなはだあきれ果てるばかりです。
それゆえ、銀行の言いなりになって、すべての取引をオンラインだけにしていたとしたら、もしそのシステムがダウンしたり、あるいは外国の黒い組織からハッキングされたりしたら、当座に必要な現金を出すのも入れるのもできなくなってしまう。
キャッシュレスという現今の風潮の背後には、そういうのっぴきならないリスクが伏在しているのだということを、まずもってよく認識していなくてはなりますまい。
人間がやる以上、ミスの絶無ということはどうしたって保(ほ)しがたい。人間はあやまりを犯す存在なのです。あるいは、悪意で人の口座から金を盗みとったり、組織のシステムに入り込んで悪さをしたりする組織的犯罪だって、世界中にいくらも発生しているではありませんか。
林 望
作家・書誌学者
