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豊中市の介護連絡会どうした…?介護の人手不足を「笑えないドラマ」にした理由

豊中市の介護連絡会どうした…?介護の人手不足を「笑えないドラマ」にした理由

制作を通じて介護が自分ごとになった

──依頼を受ける前、介護についてどのようなイメージを持っていましたか?

実は母親が介護の仕事をしていて、「人が足りなくていろいろしんどいわ」とは聞いていました。介護人材不足についてはニュースなどでなんとなく知っていた程度です。以前、身内が介護施設にお世話になったことがあって、そのときは「入所できて良かった」くらいにしか思っていなかったんです。

──制作を通じて、介護人材不足の深刻さに腹落ちした瞬間はありましたか?

連絡会さんから話を聞いたり、介護業界が置かれる状況を自分で調べたりするうちに、身内が施設に入所できたこと自体がすごく恵まれていたんだと気づきました。

若い人がさらに減って高齢者層が増加していくなかで、2035年に人材不足がより深刻になるという理屈を理解したとき、「これは本当にやばいことだ」と思いました。映像を作るだけじゃなくて、見てくれた人に自分ごとにしてもらわないといけないという気持ちで制作に臨みました。

細部へのこだわりと、母からの予想外の反応

インタビューにこたえる株式会社EYEZEN 演出 石井將剛さん

──各話の演出でとくにこだわった点はありますか?

SNSのショート動画は最初の数秒で視聴してもらえるかどうかが決まります。なので、冒頭にインパクトのある映像を持ってくることは意識しました。オフィス編でいうと、システムエラーの画面をSFっぽい真っ赤な画面にして、「なんだこれ」と思ってもらえる演出をしました。

全話をとおして軸にしていたのは、「当たり前にいる誰かがいなくなると困る」という視点です。給食室のおばちゃん、英語の先生、執刀できる医師。介護人材が不足することで当たり前の生活が失われていく、その怖さを各話で描きました。

──病院編では『ブラックジャック』や『家なき子』を想起させる雰囲気がありますね。
ブラックジャックは病院編を作ることが決まったときに出てきたアイデアです。みんなが知っているキャラクターですし、うさん臭くて頼りないブラックジャックを描いてみたいと思い、名前もブラック黒沼にしました。

実は『家なき子』を観たことがなくて……。なのでサムネイルのコピーが家なき子に似てしまったのは本当にたまたまです。

【本日介護につき】Episode05 謎の黒医者 サムネイル画像
病院編のサムネイル

──全話をとおして見ると、学校編だけほかの話と少し雰囲気が違うように感じました。職場編や病院編と比べて、どこかシリアスな雰囲気ですよね。

職場編や病院編は介護人材不足が直接影響する話ですが、学校編は大人の問題が子どもに波及するという、少し遠回りな描き方をしています。最初から毛色の違う作品を入れようと考えていたんですが、結果的にそれが一番再生されています。

──全6話が公開されましたが、反響はいかがでしたか?

身近な人からはおもしろい、興味がわいたと言ってもらえてうれしかったです。SNSではあまり多くの反響はないのですが、コメントの中で印象的だったのが、登場人物の名前に気づいてくれた人がいたことです。実は豊中市にある駅名になっているんですよ。しれっと仕込んでいたことなので、そこまで見てくれている人がいるんだなと。ものづくりをしている身からすると、細かいこだわりに気づいてもらえるのは本当にうれしいです。

──介護の仕事をされているお母さんにも見てもらいましたか?

見てもらったのですが、映像の感想はなく、「給料も上がらんし、人がいなくて介護職ほんまにやばいねん」と文句を言われました。こんなに身近に人材不足の深刻さを感じている人がいるのだから、この動画を一人でも多くの人に見てもらって、介護について考えるきっかけになればと思います。

取材協力:一般社団法人 豊中市介護保険事業者連絡会、株式会社EYEZEN

参考

  • 厚生労働省|第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について

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