
「なぜ、不動産の価値が2倍、3倍、ときには5倍に大化けするのか」。そのヒントは、富裕層が重視する「情緒的価値」にありました。長年にわたり港区の一等地に身を置き、「住友ラ・トゥール」や「森ビルのレジデンス」での居住経験を持つ筆者は、富裕層ならではの物件選びの基準を熟知しています。本記事では、柳澤寿志子氏の著書『富裕層を魅了する 東京一等地不動産』(星野書房)より一部を抜粋・編集し、上流階級の知られざる感性を解説します。
不動産価値が「5倍」に大化けすることも…港区の一等地で培った〈富裕層の視点〉
よく聞かれるのですが、なぜわたしには、不動産の価値が「2倍」「3倍」、ときには「5倍」にまで高まる可能性が見えるのでしょうか。
理由のひとつは、長年にわたり港区の一等地に身を置き、日常的に富裕層の方々の価値観や選択を間近で見てきたことにあります。その環境の中で、無意識のうちに「富裕層の視点」で物事をとらえる思考が形成されていきました。
さらに、10年以上関わっている不動産会社の社長が大切にしている「富裕層の好む上質な価値観」を不動産という形で具体的に落とし込んできた経験も大きいと感じています。
「時間とともに価値が深まる素材の魅力」「天井高がもたらす空間の開放感と格調」「家具や内装によって完成する豊かな佇まい」そして、「情緒的価値」。
価格ではなく「価値」で住まいを選ぶ…富裕層の心を動かす〈情緒的価値〉
情緒的価値とは、機能やスペックでは測れない「心の動き」のことです。その空間に入った瞬間の安心感や高揚感、そこに住む自分の姿が自然と想像できる感覚、誰かを招きたくなる気持ち。
このような感情が動いたとき、人は価格ではなく価値で住まいを選びます。このような判断の背景にあるのは、わたし自身がそのような空間を好んでいるという、ごくシンプルな感覚です。
高品質で、美しく整えられた空間に身を置くこと。自分が住むのであれば、できるだけ心地良く、美意識のある住まいにしたいと考えること。可能であれば、バルコニーも単なる外部空間ではなく、テラスルームのように使える場所に整えたい。
そのような感覚を常に持ちながら空間を見ることが、結果として富裕層が求める住まいの本質と重なっていくのでしょう。
