②設立と運営
【法人の設立】
法人を設立するには、法務局に会社を登記する必要があります。設立にはいくつかのステップがあり、定款(ていかん)の作成や認証、資本金の払込みなどが求められます。この手続きには、専門家(司法書士など)のサポートが必要な場合も多く、時間とコストが発生します。
設立手続きの流れは次のとおりです。
(1)会社の基本事項を決定(商号、事業内容、役員、資本金など)
(2)定款の作成および公証役場での定款認証(株式会社の場合)
(3)資本金の払込み
(4)法務局での会社設立登記
(5)設立後、税務署や各種役所への届出
【法人の運営】
会社法に基づく運営が必要です。株式会社であれば、株主総会や必要に応じて取締役会などの経営機関を設置します。また、事業年度ごとに決算報告書を作成したり、役員の任期が来るたびに法務局へ登記内容の変更申請をしたりなどの法的手続きが多く存在します。
また、法人には法人税が課税されます。会計処理は個人事業より複雑ですので、決算はアウトソーシングする場合が多く、運営に一定のコストが発生します。
【個人事業の開始】
一方で、個人事業を始める際の手続きは非常にシンプルです。事業開始にあたっては税務署に「開業届」を提出するだけで、法務局などでの登記手続きは不要です。通常は費用がかからず、設立にかかる時間も少ないため、すぐに事業を開始できます。
設立の流れは次のとおりです。
(1)開業届を税務署に提出
(2)必要に応じて税務関係の届出(青色申告など)
(3)必要な許認可の取得(特定の事業に限る)
【個人事業の運営】
個人事業は基本的に1人で運営されることが多く、意思決定や運営はすべて事業主が行います。株主や取締役会などの経営機関が不要なため、運営が非常にシンプルで、迅速な意思決定が可能です。また、個人事業主は決算報告書の提出義務もないため、書類作成や手続きの負担が軽いです。
個人事業では主に所得税が課税されます。会社ほどの厳格な会計基準は求められませんので、ひとりで運営・業務などをすることができるでしょう。
[図表2]会社と個人事業主の主な違い2.設立と運営 出所:『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』(ゴールドオンライン新書)より抜粋
※ 本記事は書籍の内容を抜粋・掲載したものであり、最新の法令・制度とは異なる場合があります。実務にあたっては必ず最新の情報をご確認ください。
加陽 麻里布
司法書士法人永田町事務所
代表司法書士
