◆■暴力よりも「冷徹な事務連絡」が、幼き蛮勇を打ち砕く
「あの逃げ足の速さだけは、全国大会レベルだった」。必死の形相で闇夜に消えていった少年たちの後ろ姿を、小島さんは皮肉混じりに振り返ります。今回のエピソードで痛快なのは、小島さんが「勝てる力」を持ちながら、それを一切誇示しなかった点です。もし彼が空手の技で応戦していれば、たとえ正当防衛を主張しても、社会的な立場や平穏な日常を失っていたかもしれません。
彼らを震え上がらせたのは、怒号ではなく「警察という絶対的な権力」を淡々と呼び寄せる、大人の冷静な対応でした。イキがっていた若者たちも、結局は社会のルールから逃げられない「子供」に過ぎなかったというわけです。
この記事を読んだ皆さんが、もし不幸にも街中で理不尽なトラブルに遭遇してしまったら……。怒りに任せて拳を固める前に、小島さんの「事件です」という冷徹な事務連絡を思い出してみてください。
物理的な勝利よりも、ノーダメージで弁当を買い、風呂に浸かる日常を守ること。それこそが、現代社会における「本当の勝利」なのかもしれません。
<取材・文/八木正規 再構成/日刊SPA!編集部>
【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営

