イーロン・マスク氏が率いる米X(旧Twitter)が、SNSの枠を超えた包括的な金融エコシステム「X Money」の提供を開始します。2026年春にかけて米国などでベータ版の展開が始まり、P2P送金や年利6.00%の預金口座、株式・暗号資産のチャート確認といった革新的な機能が次々と実装される予定です。本記事では、Xが目指す「万能アプリ(スーパーアプリ)」構想と、SNSと金融の融合が個人マネー管理にもたらす変革について解説します。
イーロン・マスクが掲げる「万能アプリ」構想とX Moneyの全貌
イーロン・マスク氏は2022年にTwitterを買収した当初から、同プラットフォームを中国のWeChatのように、情報発信・メッセージング・金融機能をひとつのアプリで完結させる「万能アプリ」へと進化させる構想を語ってきました。X Moneyは、その中核を担うインフラです。
Xはこれまで米国40州以上で送金業ライセンスを取得し、金融サービス提供に向けた基盤を着実に構築してきました。単なる決済機能の追加にとどまらず、Xのプラットフォームそのものを金融インフラへと昇華させる狙いがあります。
既存銀行を凌駕する「年利6.00%」と高機能デビットカード
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X Moneyの機能の中でも特に注目されているのが、預金残高に付与される年利6.00%(APY)という高水準の金利です。米国の一般的なネット銀行の高金利口座が4~5%台にとどまる中、この6.00%は非常に競争力が高く、既存の銀行口座からX Moneyへの資金移動を促す強力なインセンティブとなります。
給与の直接受け取り(ダイレクトデポジット)にも対応しており、X Moneyをメインバンクとして利用させることと併せて、最大3%のキャッシュバック特典を持つ物理的なメタルカードおよびApple Wallet対応の仮想デビットカードを発行する戦略がうかがえます。
さらに、ユーザーのXアカウント名が刻印されたメタルデビットカード(Apple Wallet対応の仮想カードも含む)が発行されます。Visaネットワークで利用でき、外貨決済手数料ゼロ・最大3%のキャッシュバック特典も付属します。
Xの月間アクティブユーザー数は約6億人に上り、これらのユーザーが日常の決済や資産管理にX Moneyを活用するようになれば、PayPalやVenmo、Cash Appなど既存の金融・決済サービスにとって大きな脅威となるでしょう。