◆■「乗る期間」と「譲れない装備」が、グレード選びのヒント
新車のグレード選びは、装備の豪華さや価格の安さだけで決めてしまうと、後々「こうしておけば良かった」という小さな後悔がついて回るもの。今回の元ディーラー営業マンによるお話で印象的だったのは、判断の軸として「自分が何年乗るつもりか」というシンプルな問いを置いている点でした。長く付き合うつもりなら好みを優先しても良し、数年で乗り換えるなら中間グレードと無難な色でリセールを意識する。そう考えると、肩の力を抜いてカタログを眺められそうな気がしてきます。
そして編集部的に「なるほど」と膝を打ったのが、記事の終盤で触れられていた「サンルーフ問題」。たかが屋根の窓、されど屋根の窓。青空の下を走るときの開放感や、夜のドライブで見上げる星空は、一度味わうと癖になるもの。それなのに、最近の国産車では最上位グレードでしか選べない設定が増えており、たった一枚のガラスのためにグレードを一段、二段と上げざるを得ないケースも少なくありません。
ただし、サンルーフには少し切ない「あるある」も存在します。「憧れて高いお金を払って付けたのに、気づけばもう何年も開けていない」というオーナーが、実は世の中には案外多いのです。納車直後こそ意気揚々と開け放っていたものの、夏は日差しが強すぎて娘さんに「焼けるから閉めて!」と猛抗議され、冬は冷気が入ってきて家族から不評。せっかく夜のドライブで開けてみても、高速道路では走行音がうるさくて会話もままならない……。気づけば、開閉スイッチに指をかけるのは年に一度あるかないか、なんてことも。

この記事を読んだ皆さんが、次に新車のカタログを開いたとき、ふと「乗る期間」と「譲れない装備」の話を思い出してくれたら……。グレード表の数字とにらめっこする時間が、ほんの少しでも軽やかなものになるお手伝いができれば、これほど嬉しいことはありません。
数年に一度の大きな買い物が、納車の朝に「これにして良かったな」と笑顔で迎えられる一台になりますように。
<文/宇野源一 再構成/日刊SPA!編集部>
【宇野源一】
埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801

