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こんなはずでは…繰下げ受給で「年金月30万円」に増額した71歳夫の後悔。念願の「世界一周クルーズ」断念に至った〈妻の本音〉

こんなはずでは…繰下げ受給で「年金月30万円」に増額した71歳夫の後悔。念願の「世界一周クルーズ」断念に至った〈妻の本音〉

データが示す「レジャー意欲の低下」と、見落とされがちな「健康」という資産

イチロウさんとキヨミさんは、月36万円という盤石な年金収入を確保しました。総務省の「家計調査報告(令和7年)」によると、近年の二人以上世帯の消費支出は月額29万~31万円台で推移しており、月36万円の年金と3,000万円の貯蓄があれば、平均的な支出を上回るため、計算上は老後資金が確保できていると読み取れるでしょう。

しかし、「お金」ではなく「健康」のタイムリミットを考慮できていませんでした。内閣府の「令和7年版高齢社会白書」によると、日本人の健康寿命(健康上の問題で日常生活に制限のない期間)は、男性が72.57年、女性が75.45年となっています。数ヵ月にわたって船に乗るというクルーズ旅行の過酷さを考えれば、71歳からの決行が体力的に厳しいことが推測されます。

さらに、内閣府の「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」によると、高齢者が今後優先的にお金を使いたいものとして「趣味やレジャー(旅行等)」を挙げる割合は、年齢が高くなるほど低下する傾向にあると指摘されています。キヨミさんの旅行に対する意欲低下は、単なる一時的な疲れではなく、加齢に伴う自然な変化の表れでもあるといえそうです。

「年金の受給額を増やす」という損得勘定ばかりに気を取られ、「健康な時間」という資産を見落としてしまうと、老後プランは根底から崩れかねません。マネープランを立てる際は、資産額だけでなく「健康寿命という数字」から逆算して、「いつまで楽しむか」を組み込むことが不可欠であることを示唆しているでしょう。

[参考資料]

内閣府「令和7年版高齢社会白書」

内閣府「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」

総務省「家計調査報告(令和7年)」

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