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吉野家HD会長「“牛丼がうまい”だけでは生き残れない」…吉野家があえてファストフードで“本気の健康”を目指すワケ

吉野家HD会長「“牛丼がうまい”だけでは生き残れない」…吉野家があえてファストフードで“本気の健康”を目指すワケ

飲食店にとって「うまい」は絶対条件ですが、もはやそれだけでは生き残れません。ヒットした瞬間に模倣され、同質化が進んだ先にあるのは、利益を削り合う不毛な価格競争です。吉野家HD会長の河村泰貴氏は、この「停滞の罠」から抜け出すための具体的な差別化要因として「3つの原則」を提示します。今回は、同氏の著書『自分以外のすべてがわが師 高卒バイトが2000億円企業の社長になれたわけ』(日経BP)より、飲食業が生き残るために必要な戦略についてみていきましょう。

「うまい」だけでは生き残れない

わたしは、吉野家の牛丼が大好きです。吉野家で働くようになって40年近くなる今でも、心から「やっぱりうまいよなあ」とつぶやいてしまうことがあります。しかし、これはわたしたちの努力が足りないせいでもありますが、「別に吉野家じゃなくても牛丼はどこでも一緒でしょ」「だったらちょっとでも安いほうがいい」という方が増えているのも事実です。

そして、食の世界では、苦労して開発した新コンセプトや新メニューも、ヒットすればどんどんまねされてしまいます。パンケーキが流行ればどこもかしこもパンケーキ。似たような名前の居酒屋の乱立。どこのコンビニ、スーパーに行ってもサラダチキンが置かれています。

メニューのレシピや業態アイデアでは、特許は取れません。そして、こうした同質化の先にあるのは必ず価格競争です。その結果、儲からなくなってしまう。

ここから抜け出すにはどうすればいいか。同質化の反対、「差別化」を行わなければなりません。

品種、機械、ブランド…生き残る飲食業「差別化」の3原則

もちろん、おいしさで差別化を図ることも追求し続けます。お客様がわたしたちのお店にわざわざ足を運んでくださる動機の大半は、「うまい牛丼が食べたい」「吉野家の牛丼が食べたい」というものだからです。

しかし、それだけでは不足しているのは前述の通りです。他社に模倣されない、まねしたくともできない、本当の差別化は何か。わたしは長年考え続けて、飲食業において本当の意味で差別化が可能なのは、次の3つしかないという結論に至りました。

1つは、品種、種。2つ目は、機械。3つ目が、商標、ブランドです。

そして、その差別化は顧客が価値を認めてくださる方向でなければ意味がありません。その一つが、健康だと考えたのです。

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