映画館を貸し切った「4月7日」。ローンチイベントと、書籍に込めた”ありがとう”

—— 4月7日のローンチイベントは、津市内の映画館を貸し切って開催されたと伺いました。なぜ映画館を会場に選ばれたのでしょうか。
䑓堂: これが例えば地元の公民館や会館だったら、インパクトが弱かったと思うんです。映画館なら画面の大きさも音の迫力も段違いですし、地域の会社がここを貸し切って何かをやる、という時点で特別感がある。実際、参加してくださった約200名の方々からも「何が始まるんだろう……」とワクワクしてくださっているのが伝わってきました。
—— 当日はどんな演出だったのでしょう。
䑓堂: 受付で新しいロゴ入りの袋をお渡しして、入り口の前で、参加者全員と私とで写真を撮るんです。ある方には「某テーマパークのキャラクターみたいになってるよ」って笑われました(笑)。

スクリーンでは、これまでのサンクスホームの歴史をまとめたムービー、そして新しいミッション・ビジョン・バリューを紹介する映像を流しました。最後はエンドロール。結婚式のエンドロールの上位互換のような仕上がりで、正直、自分でも少し涙が出そうになるくらいの完成度でした。
—— 社外の方々からの反応はいかがでしたか。
䑓堂: 後日、業者さんたちと食事に行く機会があったのですが、「めっちゃよかった」「こんなイベントは見たことがない」「自分たちもやってみたい」という声を直接いただけて、嬉しかったですね。普段、私たちが地域の方から直接こうした声をもらえる機会ってあまりないので。
—— 同日には、䑓堂社長のご著書『ありがとうをカタチにする家づくり』も発売されました。タイトルにも込められた「ありがとう」という言葉は、今回のリブランディングと響き合うものがありますね。

䑓堂: 執筆の過程で、あらためて自分たちの本質を見つめ直すことができたんです。私たちは家を売っているのではなく、”ありがとう”が生まれる暮らしを設計している。家が完成したときが終わりではなく、完成してからが始まりだと思っています。
そこから家族の中で、どれだけ”ありがとう”の数が増えていくか。それこそが、その家の価値だと考えているんです。
—— “ありがとう”はお客様に向けられたものだけではない、と。
䑓堂: そうなんです。一軒の家は、営業一人では完成しません。広報の林が集客で「ありがとう」をつくり、営業がそれを受け取って設計に「ありがとう」を渡す。そうした”ありがとう”の連続の上に、一軒の家が建っています。
普段仕事をしていると忘れがちな、この当たり前のことを、あらためて本という形で言語化したことで、会社としての軸がより強くなったと感じています。
—— 当日はもうひとつ、元近畿大学教授で、現在はウムヴェルト建築総合研究所株式会社を主宰されている岩前 篤先生とのスペシャルトークセッションも実施されましたよね。対談のなかではどんなお話があったのでしょうか?
䑓堂: 対談の中で岩前先生から教えていただいたのは、これからの家づくりは「快適さ」だけではなく、「ウェルビーイング」や「フローリッシング」という視点が必要になる、という考え方でした。
—— 「ウェルビーイング」「フローリッシング」というのはどういった意味なのでしょうか?
䑓堂: はい、ちょっと難しい言葉ですよね。「ウェルビーイング」は、人が無理なく満たされている状態のこと。一方、「フローリッシング」は、そこからさらに人生がより良くなっていく状態を指すそうです。
—— なるほど。快適イコール健康ではない、というお話もされていたとか。
䑓堂: そうなんです。例えばエアコンをつければ、室温は整いますよね。でも実際には、足元と頭上では温度差があったり、空気が乾燥していたり……知らないうちに体にストレスが蓄積されている。これを放置すると、家の中での冷え症やヒートショックのような健康リスクにつながっていきます。
逆に、断熱・気密・換気といった性能をきちんと整えると、睡眠の質が上がったり、家の中のストレスが減ったりする。人生の質そのものを底上げしてくれるんです。
—— なるほど……「くらしかた未来基準」という言葉とぴたりと重なる考え方ですね。
䑓堂: まさにそうなんです!岩前先生との対談を通じて、私たちが目指していくべきは、「ウェルビーイング」が土台にあるのは当然として、その先の「フローリッシング」まで踏み込んだ住まいだと確信しました。
「選ばれる」から「なくてはならない」会社へ

—— リブランディング、4月7日のローンチを経て、今、どんな景色が見えていますか。
䑓堂: これまでの住宅業界は、デザイン・性能・価格といった比較しやすい軸で勝負してきました。でも、それだけではもう戦えない時代になってきています。
私たちが目指しているのは、「選ばれる会社」ではなく、「なくてはならない会社」です。お客様の人生にとって必要な存在であり続けるためには、デザインや価格の先にある価値——つまり”どう暮らすか”まで一緒に考えられる会社でなければならない。今回のリブランディングは、その覚悟を内外に示すためのものでもありました。
—— 社員の方々にとっても、大きな節目になりそうですね。

䑓堂: そうですね。新しいミッション・ビジョン・バリューが、今後は新人にもベテランにも共通の言葉になっていきます。自分たちが何のために働いているのかを語れる組織になれば、自然とお客様への向き合い方も変わってくるはずです。
外側だけでなく、内側……人や組織も同時に変えていく。それが今回のリブランディングの本質だと思っています。
—— 後編では、その”内側”の話——個人の能力に依存しない組織づくりについて、詳しく伺わせてください。
䑓堂: はい、よろしくお願いします。
[ BOOK INFORMATION ]『ありがとうをカタチにする家づくり - 家族の人生に寄り添い続ける工務店』
サンクスホーム代表・䑓堂貴也が、美容師として「人の心に触れる仕事」をしていた頃の経験から、家づくりの現場で育まれた“感謝の循環”の文化、そして多くの家族と向き合う中で見えてきた「後悔しない家のつくり方」を綴った一冊です。ぜひお手に取ってご覧ください。
Amazonでのご購入はこちら

