脳トレ四択クイズ | Merkystyle
「これじゃ、呪いだよ」…評価額約4億円を遺し、78歳で急死した“デイトレ親父”。巨額資産に喜びも束の間…50歳息子が直面した「とんでもない事態」【CFPが解説】

「これじゃ、呪いだよ」…評価額約4億円を遺し、78歳で急死した“デイトレ親父”。巨額資産に喜びも束の間…50歳息子が直面した「とんでもない事態」【CFPが解説】

「親が資産家なら安心」そう思っている人は少なくありません。しかし、その資産が“株式や有価証券”だった場合、話は別です。特に高齢者が短期売買を繰り返すデイトレードにのめり込んでいた場合、相続人は思わぬリスクを背負うことがあります。父が遺した約4億円の証券資産。けれど、それは家族にとって“お宝”ではなく、“呪い”にもなりかねないものだった――。FPの小川洋平氏が詳しく解説します。

突然死した父が遺した破格の投資資産「約4億円」

大川健一さん(50歳・仮名)は地方都市で会社員として働いています。実家には、78歳になる父・大川義男さん(仮名)が一人で暮らしていました。

義男さんは定年退職後、株式投資にのめり込むようになります。最初は老後の小遣い稼ぎ程度でしたが、次第に毎日パソコンの前に張り付き、短期売買を繰り返す“デイトレーダー”のような生活になっていきました。

「今日は50万円勝った」
「この銘柄はまだ上がる」

息子の健一さんには半分冗談のように話していましたが、家族は「退屈しない趣味くらいに思っていた」と言います。

しかし、そんな義男さんは、ある冬の日、自宅の浴室で倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。葬儀を終えた後、健一さんは母と妹と共に父の資産整理を始めます。

そこで、父の証券口座を確認した一家は絶句しました。口座残高は、なんと約4億円。複数の銘柄を保有していました。

「親父、こんなに持ってたのか…」

一瞬喜びに沸きましたが、次の瞬間、大きな不安を抱えることになります。

「これだけ資産があるなら、相続税も相当かかるのでは……」

「これじゃ呪いだ」…最終的に手元に残った金額

不安になった健一さんは税理士に相談し、試算してもらいました。義男さんの遺産総額は約4億円。母には「配偶者の税額軽減」が適用され、法定相続分にあたる約2億円までは相続税がかからない見込みでした。一方、残る約2億円相当の金融資産を相続する予定だった健一さんと妹には、合計で約5,000万円の相続税が発生すると説明されます。

つまり、健一さんと妹には、それぞれ約2,500万円ずつの納税負担が発生する計算でした。しかも、現金で10ヵ月以内に納税しなければなりません。

ところが、家族は誰も株式投資の経験がありませんでした。さらに、株式を相続するには、相続人それぞれが証券口座を開設しなければならず、手続きも煩雑です。

「どの株を誰が引き継ぐのか」
「売るべきなのか、持ち続けるべきなのか」

話し合いはなかなかまとまりません。気づけば四十九日も過ぎ、期限は刻一刻と迫っていました。

その間にも株価は変動します。値上がりする銘柄もありましたが、大半は大きく下落。特に、義男さんが好んでいたのはデイトレードを目的とした商品で、中には相場の下落で価格が上がるような商品もあり、長期保有には向かないものばかり。相場環境の悪化も重なりました。

結局、時間に追われるように相続手続きを進めることになり、十分な検討もできないまま売却することに。子ども側に権利があった約2億円相当の資産は、最終的に7,000万円程度まで急減してしまったのです。

結果として、そこから約5,000万円の相続税を支払うことになり、兄妹の手元に残ったのは合計で約2,000万円ほど。健一さん個人が手にしたのは約1,000万円になったのでした。

「下手したら、マイナスだったかもしれないな……」

妹と苦笑いしながら、健一さんはこう呟きました。

「親父は家族のために資産を残したつもりだったんだろう。でも実際に遺されたのは、終わりの見えない手続き、それと税金、暴落だった。――これじゃ、まるで呪いだよ」

あなたにおすすめ