◆“天才子役”の映画監督デビューに賛否
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9歳の天才子役、永尾柚乃が映画監督デビューを果たします。来年公開予定の『リタ』で主演、脚本、編集もあわせると計4役。撮影当時8歳だったのでギネス最年少記録も狙えるとのこと。環境問題をモチーフにしたSFという大人顔負けのストーリーに衝撃を受けたという俳優の斎藤工もプロデューサーとして名を連ね、話題を呼んでいます。
3歳からすでに脚本を書いていたという柚乃ちゃん。将来の目標は映画監督と公言し、その第一作が早くも実現する運びとなりました。
ところが、ネットは複雑な反応を示しています。あからさまな批判ではないけれど、かといって両手を上げて賞賛する気分にもなれないといった雰囲気だからです。“無理に大人の真似事をしなくてもいいのに”とか、“演技を見ていても子役を演じる大人にしか見えない”といった意見から、「監督デビュー」への懐疑的な見方が根強いことがうかがえます。
◆子どもの鋭さが生む「大人の好む正解」
では、「天才子役兼天才監督」のどこが引っ掛かるのでしょうか?『リタ』のストーリーはこんな具合です。<地球の環境破壊の影響で滅亡危機にある惑星から調査員が派遣され、永尾演じる主人公が監視されるというSFファンタジー>(『スポニチアネックス』2026年5月16日)これを9歳が独自に考え出したとするならば、「天才」と呼ばれるのも頷ける話です。
しかし、物心ついた頃から業界に身を置き、周りは自分より遥かに年上の大人たちばかりという環境を考えれば、自然とそういった類の年長者の喜ぶ傾向がわかってしまうのも、また子どもの持つ鋭さではあります。
つまり、柚乃ちゃんが天才であるかどうかではなく、むしろどうしようもなくピュアな子どもであるからこそ、大人たちの好きな“社会派SF”という合理的な解答にたどり着いてしまった可能性もあるわけです。なぜなら、大人から「すごいね」とか「えらいね」とか言ってもらうためには、彼らの世界と一致してしまうことが一番の近道だからです。たとえ、それを心から理解したり納得したりしていなかったとしても、子どもは大人と対等に付き合えているかのような幻のほうを好むものです。
それこそが、9歳にして業界で地位を確立する自らのアイデンティティを証明する一番の近道となるのです。

