◆成立するのは“都市部中心”という現実

「人口が集中し、単身世帯が多いエリアでなければ安定して仕事を取るのは難しいです。東京、名古屋、大阪、福岡といった都市部であれば一定の需要はありますが、地方では厳しいケースが多いでしょう」
その理由についても説明する。
「地方では家族で暮らしているケースが多く、孤独死自体が少ない傾向にあります。また、仮に発生しても家族で対応することも多い。そのため、業者に依頼する場合でも、町の便利屋が一部サービスとして請け負う形が主流になると思います」
◆都心と地方で異なる“特殊清掃の常識”
実は、特殊清掃に対する考え方は地域によって大きく異なるという。「都内の場合、孤独死が起きた現場を清掃し、その後は再び賃貸物件として貸し出すケースが多いです。一方で地方では、孤独死があった家はそのまま解体してしまうことも少なくありません」
その背景には、“誤解”もあると鈴木さんは指摘する。
「“臭いが取れないから解体するしかない”という認識が広まっている地域もあります。しかし、適切に清掃と復旧を行えば、再び住める状態に戻すことは可能です。こうした正しい知識は、もっと広まるべきだと考えています」
鈴木さんは実際に、不動産業者や介護事業者向けにセミナーを実施し、特殊清掃の理解を促す取り組みも行ってきたという。

