暖かい季節になり、週末はバーベーキューを楽しむ人も多いはずだが……。
◆自宅の庭でバーベキュー中に隣人からクレーム

庭先でのバーベキューを楽しんでいた安室令さん(仮名)に隣家の男性から突然の怒鳴り声が浴びせられた。
卓上グリルで野菜と少量の肉を焼くだけの、ごく小規模な家族の時間だった。
安室さんが暮らしていたのは、地方都市の一戸建てが並ぶ静かな住宅街だ。子育て世帯が多く、落ち着いた雰囲気のエリアで、引っ越して間もないころのこと。
初夏の土曜日、天気が良かったため、家族3人で庭先に卓上グリルを出し、バーベキューを楽しむことにした。使用したグリルは煙の少ないタイプで、食材も野菜と少量の肉。開始は17時頃、19時には片付ける予定だった。
時間帯・規模ともに常識的な範囲内だろう。
ところが、開始から30分ほど経過したところで、隣家の50代くらいの男性がフェンス越しに顔を出し、冒頭の言葉を強い口調で放ったのである。
◆隣人の主張「そもそも住宅街でバーベキューは非常識」
安室さんが「すみません、火を弱めます」と応じると、男性の語気はさらに強まった。「そもそも住宅街でバーベキューなんて非常識ですよ! 子どもがいる家もあるんですから!」
安室さんはトラブルを避けるため「以後気をつけます」と返し、予定より早めに片付けることにした。突然の怒鳴り声に驚きつつも、その場での対応は冷静だった。
しかし問題はそれで終わらなかった。翌週、今度は自治会長から電話が入った。
「隣の方から苦情が来ていてね……」
自治会長によると、隣人の男性は「煙で洗濯物がすべて台無しになった」「健康被害が出る」といった、かなり誇張された内容で申し立てていたという。自治会長は「気にしなくていい」とフォローしてくれたものの、安室さんへの精神的なダメージは少なくなかった。
「あれだけ強い口調で責められると、どうしても心に残ります」
また、自分は何かとんでもないことをしてしまったのではないか、自治会まで巻き込んでしまったことで、「自分が悪かったのか?」と必要以上に落ち込んでしまったのだ。
その後、安室さん一家は庭でのバーベキューを控えるようになった。

