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「あんなに、幸せだったのに…」31歳で買った持ち家のある街がゴーストタウン化、当時月収28万円だったサラリーマンが背負った「3,000万円・35年ローン」の悲しき結末【FPが解説】

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自宅周辺で増え続ける“空き家”、「資産」にならなかった家

この地域は、車がなければ、買い物や病院に通うのにも不便な場所です。そのため、年齢を重ねて免許を返納し、生活がままならなくなった世帯から、老人施設に入所したり子どもとの同居のために家を出たりする人が相次ぐようになりました。結果として、現在は空き家も目立つように。

地域の足となっているバスが運行していますが、昨今の人手不足の影響か、いつも運転手を募集している状態。赤字との噂もあって、いつまで運行してくれるかAさんは心配でなりません。

都内に住むAさんの息子夫婦は、そんな親の状況を察して「一緒に暮らそうか?」といってくれます。しかし、さほど広くもないマンションに二人で押しかけるのは申し訳なく、将来、子どもでも産まれれば、生活スペースはさらに逼迫することが目にみえています。

いまはまだ夫婦ともに元気ですが、10年後、20年後のことを考えると不安しかありません。年々寂れていく街を眺めながら、最近では、夫婦で散歩をしていてもほとんど会話がなくなってしまいました。

「“家は財産”と思い、苦労しながら30年間ローンを払ってきました。ですが、いまの状況では売るにしても買い手も見込めず、老後の資金の足しにもなる可能性も低いでしょう。まさに“負動産”化しそうです。子どものため、家族のためと思って買った家が、子どもの“重荷”になりそうで、不安を抱えながら夫婦二人で暮らしています」

Aさん、そう深くため息をつきました。

FPからのアドバイス:“家を守る”のではなく“自分たちの生活を守る”発想へ

Aさんが入居した当時、工場や商業施設がすべて撤退することなど予想できるはずもなく、不運としかいいようがありません。しかし、これから人口減少が加速する日本では、同じような地域が増えてくると予想されます。

「家は一生に一度の買い物」といいますが、老後の生活までを俯瞰すると、その常識は必ずしも正解とはいえません。“終の棲家”までを考えて、いつ、いくら住まいにお金をかけていくのか、という長期的な視点での資金計画が不可欠です。

Aさんのように、若いころ“夢の街”に持ち家を購入した人が、老後になって思わぬ不便さに直面するケースは今後一層増えていくでしょう。しかし、いまからでもできる備えはあります。

・不動産の査定だけでも早めに済ませておく

・移動支援や買い物代行など、地域のサービスを把握しておく

・老後の住まいについて家族と話し合っておく

・“家を守る”のではなく“自分たちの生活を守る”発想に切り替える

こうした準備をしておくことで、「この街を出たいのに、経済的にも物理的にも出られない」という状況を避けることができます。

川淵 ゆかり

川淵ゆかり事務所

代表

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