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「貯金5000万円で“老後は勝ち組”のはずだった」大手商社を退職、住宅ローン完済の69歳男性がカン違いしていた“老後資金の盲点”

「貯金5000万円で“老後は勝ち組”のはずだった」大手商社を退職、住宅ローン完済の69歳男性がカン違いしていた“老後資金の盲点”

◆<解説>老後資金は“総額”では守れない

十分に備えたはずだった老後は、音もなく崩れていった。貯金があることと、安心して暮らせることは、同じではなかったのだ。では、こうしたケースは特殊なのか。財務コンサルタントの桜井潤一氏は、「実務では非常に多い」と指摘する。

「たとえば『老後資金3000万円で安心』と考えていた夫婦でも、夫または妻が倒れた瞬間に流れが変わります。介護サービスで月10万~20万円の追加支出、自宅改修で100万~300万円、施設を検討すれば入居金と月額費用がかかる。見落としがちなのは、『元気な時の生活費でそのまま続く』という思い込みです」

佐藤さんのケースでも、入院費そのものより、退院後の住宅改修や介護移動費、施設検討といった“暮らし直し”のコストが重くのしかかった。老後資金は、ゆるやかに減っていくものではなく、ある日を境に一気に削られ始めることがあるというわけだ。桜井氏はこう続ける。

「老後資金は『いくらあるか』より、『どんなスピードで減るか』で考えておくことが重要です」

では、こうしたリスクにどう備えるべきなのか。桜井氏が強調するのは、「金額」よりも「柔軟性」だ。

「資産の一部は、すぐ使える現金で確保しておくこと。介護費用も『総額でいくら必要か』ではなく、『月いくら支出が増えるか』で把握しておくこと。そして、どちらか1人でも回るシンプルな家計構造にしておくことが大切です。加えて、『自宅で介護するのか、施設に入るのか』という選択も、費用と生活の両面から事前にイメージしておく必要があります」

◆老後設計は“もし明日”で考える

そのうえで、桜井氏は最後にこう語る。

「老後のお金は、『いくら貯めれば安心か』という発想だけでは足りません。『もし明日、どちらかが倒れたら?』という前提で設計しておくことが、結局はいちばん現実的な備えになるのです」

十分に備えたつもりでも、人生はときに、その前提ごと静かに崩してくる。老後資金とは、その“想定外”にどう備えるかという問いでもある。

桜井氏
桜井潤一
ユニバーサルバンク代表。財務コンサルタント。早稲田大学卒業後、大手銀行に24年間勤務。2020年株式会社ユニバーサルバンク設立。富裕層の資産運用から、数十億の法人融資まで1,000社以上の審査と支援を経験。「銀行を超えた銀行を創る」という思いから2020年独立、「株式会社ユニバーサルバンク」設立。3,000万円以上の自己投資をして起業初年度から年商1億5,000万円のビジネススクールを経営、提供するセミナーも6,000人以上が受講。「真に豊かな人生を送れる人を増やしたい」という想いから、財務×ビジネス×資産形成を融合したReal Wealth®︎プログラムを開発

配信元: 日刊SPA!

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