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「カフェ代500円」を浪費する人と、「缶コーヒー130円」を投資に変える人の決定的な差【40代でFIREした元公務員が解説】

「カフェ代500円」を浪費する人と、「缶コーヒー130円」を投資に変える人の決定的な差【40代でFIREした元公務員が解説】

「仕事で自腹を切るのはおかしい」と考える人が失うもの…130円の缶コーヒーが築いた信頼

「コーヒーやお菓子への何気ない支出が、気づかないうちに未来のリターンを削っている」一方で、「使うべき支出」も存在します。場面によっては、一見「ムダ遣い」に思えるお金が、あとになって何倍もの価値になって返ってくることがあります。

例えば、木枯らし吹きすさぶ真冬の屋外。冷たい風にさらされながら作業を続けると、指先は感覚を失い、集中力も、働く気持ちも削られていきます。そんなとき、先輩が無言で差し出してくれた、1本の温かい缶コーヒー。これを受け取った瞬間、冷たい手や身体が温まるだけでなく、張りつめていた空気までふっと緩む。そんな経験に覚えがある方も多いのではないでしょうか。

先輩が払ったこのコーヒー代は、単なる「消費」や「浪費」ではありません。人の心を動かし、関係を深めるための立派な「投資」なのです。

私は海上自衛隊で28年間勤務してきましたが、早期退職の3年前、幹部任官後に大きな試練に直面しました。長年、下士官として映像関連の業務に携わってきましたが、幹部教育を経て配置されたのは、それまでほとんど触れたことがないネットワークを管理する部署。まさに畑違いの世界でした。前任者は不在。引き継ぎ資料も十分と言えず、次々やってくる業務は滞り、仕事上で使う専門用語すら理解できない状態からの厳しいスタートでした。

そんな中、私が頼りにしたのは、私の部署の隣でネットワーク全体を統括する部隊の下士官たちでした。彼らに電話して手順を1つひとつ確認し、それでも問題を解決できないときは、現場に足を運んでもらいトラブルに対応してもらうこともありました。その際、私は必ず缶コーヒーを用意して、対応してくれた下士官に渡すようにしていました。

たったそれだけのことですが、休憩時間に温かい飲みものを手に会話を交わすことで、お互いの距離は目に見えて縮まっていきました。結果として、私は他の部隊よりも優先的に対応してもらえるようになっただけでなく、電話でも踏み込んだ質問ができる、信頼関係を築くことができました。

缶コーヒー1本130円。しかし、その1本が「本来なら頼みにくいことを頼みやすく」して、「困ったときでも、相手が快く動いてくれる空気」を作ってくれたのです。

数百円を惜しむ者は時間と成果を失う…人との協力を得たい場面では「迷わず支出」

相手に食べ物や飲み物を振る舞う行動は、「あなたの知識と技術を尊重しています」という無言のメッセージであると同時に、「面倒な仕事を押し付けられている」という先方の心理的負担を和らげる効果があります。対応回数を重ねるうちに、彼らは作業の終了後に、「他に困っていることはありませんか」、と「一歩踏み込んだ声掛け」をしてくれるようになりました。

その結果、トラブル対応の期間は短縮され、部隊全体のネットワークは驚くほどスムーズに安定して稼働するようになったのです。もし私が、「仕事のために自腹を切るのはおかしい」「そんな支出はもったいない」と考えたら、これらの問題は解決できなかったか、仮にできたとしても、何倍もの時間と労力を要していたでしょう。

この経験から私は、「お菓子や飲み物への支出は、コミュニケーションの潤滑油であり、数字では測れないリターンを生む投資」と強く認識するようになりました。

節約すべきところは徹底して削る。一方で、人との信頼や協力を得たい場面では、迷わず支出する。この判断ができるようになることが、合理的で、賢いお金の使い方なのです。

結論

◆信頼を生む場面では、迷わず金を使え。

◆人を動かしたいときは、相手を労ねぎらえ。

◆数百円を惜しむ者は、時間と成果を失う。

生方 正

サービス創新研究所研究員/個人投資家

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