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『推しの子』ロケ地がまさかの不法占拠?市ヶ谷駅前のシンボル「都会の釣り堀」が60年も存続できる深いワケ

『推しの子』ロケ地がまさかの不法占拠?市ヶ谷駅前のシンボル「都会の釣り堀」が60年も存続できる深いワケ

◆時代・行政・法律のスキ間に残る混沌

市ヶ谷フィッシュセンターは、1964年東京五輪という「時代」の境目、千代田区・新宿区・港区・東京都・国という「行政」の境目、国有財産であり法定外公共物という「法律」の境目など、多くの物事の狭間に生まれたエアポケットである。ここも他の不法占拠地帯と同様、戦後~高度経済成長までの混沌とした「昭和」を色濃く受け継いだ場所と言える。

市ヶ谷フィッシュセンター
市谷亀岡八幡宮は社殿が急階段の上にあり、閑静な穴場
ところで、市ヶ谷周辺は防衛省のほかに日大・中央大・法政大・武蔵野美術大など複数の大学キャンパスや学校施設があり、比較的ゆったりとした時間の流れるエリアである。徒歩数分の場所には靖国神社や市谷亀岡八幡宮もあり、厳かな歴史と学問の香りを感じさせる散策向きの場所と言える。

市ヶ谷フィッシュセンター
JR市ヶ谷駅から見た靖国通り(右)。先へ進むと靖国神社がある
こうした市ヶ谷の風景に昭和的な釣り堀がスッポリ嵌まり込み、法的にグレーな要素はそのまま東京の水辺風景として融け込んでいるのは、ある意味では稀有なことでもある。市ヶ谷フィッシュセンターは海外からの観光客(インバウンド)に向けても人気スポットとして定着している。東京をはじめアジアの大都市圏から失われつつある清濁混合のカオスな気配が、この釣り堀にはまだ少なからず残っていて、それが外国人も呼び寄せているのかもしれない。

市ヶ谷フィッシュセンター
法律面をクリアしたうえで引き続き存続してくれる方がベストなのだが……
<TEXT/デヤブロウ>

【参照】
・東京都議会 本会議ネットリポート 平成24年 第1回定例会(一般質問1日目)くりした善行(民主党)
・note 東京都庁 2022年10月25日付投稿「お濠のあのミドリ色をなんとかせねばなりませぬ」
・日本大学文理学部社会学科・後藤範章研究室 
「東京人」観察学会|「東京」と「東京人」のビジュアル社会学
2013年度 1. 釣り堀の見える風景 ―変わらずに4,50年―

―[東京“不法占拠”をめぐる旅]―

【デヤブロウ】
東京都在住。2024年にフリーランスとして独立し、ライター業およびイラスト業で活動中。ライターとしては「Yahoo!ニュース」「macaroni」「All Aboutニュース」などの媒体で、東京都内の飲食店・美術館・博物館・イベント・ほか見所の紹介記事を執筆。プライベートでも都内歩きが趣味で、とりわけ週2〜3回の銭湯&サウナ通いが心のオアシス。好きなエリアは浅草〜上野近辺、池袋周辺、中野〜高円寺辺りなど。X(旧Twitter):@Dejavu_Raw
配信元: 日刊SPA!

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