◆55歳でタトゥーを入れてみたら人に優しくなった
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「初めてタトゥーを入れたのは55歳のとき。昔からアウトローな雰囲気に、漠然とした憧れがあったんですけど、子供とプールや温泉に行けなくなるのは嫌だなと思って、ずっと見送っていたんです」
こう話すのは、東京・世田谷区で美容院を経営するShigeさん(59歳)だ。その両腕には十字架やドクロ柄のタトゥーがいくつも彫られている。いかにもヤンチャな見た目だが、実際には堅実派だ。
「僕が55歳のときに一番下の娘が20歳になったので、もう子育ても卒業だなと思ってタトゥーを入れたんです。でも、半分勢いで入れたので、最初に彫ったのは自分の美容院の店名です(笑)。以前から80歳まで美容師として働きたいと考えてきたので、『簡単に店を閉じないぞ!』という意思表示の意も込めて。ただ、80歳まで働き続けるのが簡単ではないことはよくわかってる。
だから、54歳のときに介護施設でアルバイトを始めて、2年ほど前に介護士の資格を取得しました。現在はグループホームで週1回、介護士として働きながら入居者のケアをしたり、髪を切ってあげたりしています。当然、タトゥーは隠した状態で……」
その後、気の向くまま彫り物を増やしていったShigeさんだが、右肩に入った「一蓮托生」のタトゥーだけは特別な意味があるという。
「離婚や娘のうつ病が重なって、家族がバラバラになりかけたときがあったんです。結果的に、心を病んでしまった娘をみんなで支えて、元どおりになった。そのときに彫ってもらったものです」
◆40万円以上の満足感がある
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「最初は『格好いい彫り物をした』という自己満足でしかなかったのですが、だんだん『タトゥーを愛する人に迷惑をかけてはならない』という妙な使命感が芽生えて、昔よりも低姿勢になりました(笑)。介護士の資格を取った影響もあるかもしれませんが、人に優しくしようという気持ちが強くなった。
あとは、格好悪い爺さんになりたくないという気持ちが強くなったので、体形維持には気をつけています。おかげで、年配のお客さんからも『彫師を紹介してほしい』と言われるようになりました。50代でタトゥーを入れるなんてバカだなと思う人も多いだろうけど、一度入れてしまったら簡単には消せない分、間違いなく何かを変えるきっかけにはなる」
高齢者専門の精神科医として35年以上活躍する和田秀樹氏は、「好きなことをやることで幸福度は確実に高まる」と話す。
「年を取ったら髪の毛が薄くなる人もいますが、プチ整形もタトゥーを入れることも自ら変化を楽しむ行為。その前向きな行動は新たな価値観と自己肯定感をもたらし、豊かな老後に繫がるでしょう」
【精神科医 和田秀樹氏】
東大医学部卒。東大医学部附属病院などを経て、和田秀樹こころと体のクリニック開設。幸齢党党首。『80歳の壁』など著書多数
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取材・文/週刊SPA!編集部
―[50代からの[幸せ散財]革命]―

