勢いで辞めるのは危険…退職届を出す前にクリアすべき「7つの鉄則」
退職届が受理された瞬間、人生は一方通行になります。そのあと、家庭の問題や資金不足が発覚しても、「やっぱり辞めることをやめます」は、通用しません。しかも、それは現実的に厳しいだけでなく、精神的にも大きなダメージになります。
だからこそ必要なのは、退職後の生活が揺るぎない状態かどうか、しっかりと確認しておくことです。退職届を出す前に確認すべきことは、7つあります。
①生活費は「年ベース」で把握できているか
月の生活費だけでは不十分です。車検・修理・買い替え、冠婚葬祭、介護など、想定できるライフイベントの支出まで洗い出せているでしょうか。
②退職金の「受取額」と「退職日」の差を理解しているか
受け取る退職金の概算額を事前に把握しておく。3月退職と4月退職とでは、年度をまたぐことで号俸や加算率が変わり、受け取る退職金額が数10万〜100万円単位で差がつくことになります。感情ではなく、必ず数字で判断してください。
③社会保険料を“自腹で払う現実”を把握しているか
組織が半分負担してくれていた保険料は、退職後、全額自己負担になります。金額だけでなく、手続き先や支払い期限まで具体的に確認しておきましょう。
④銀行ローンの見直しを終えているか
退職後は公務員、企業勤めの高い与信力は消えます。住宅ローンやアパートローンは、退職前に借り換えを済ませておくと、総支払額を大きく圧縮できます。
⑤クレジットカードは必要なものを作り終えているか
退職後は、ステータスの高いカードを作りづらくなります。世界旅行や海外での長期滞在を予定している方は、退職前にカードを受け取るよう、手続きを完了させておくことが鉄則です。
⑥FIRE後の「時間の使い道」を言語化できているか
最初はラクでも、「毎日やることがない」「ヒマだ」は、確実に精神を蝕みます。FIREはゴールではなく、時間の使い方を自分で決め続ける人生の始まりです。仕事を手放す前に、今後は「何に時間を投下するのか」を自分自身に問いかけ、答えを出しておく必要があります。
⑦家庭内の役割分担を話し合っているか
日中、家にいる時間が増えると、パートナーと食事・掃除・生活リズムなどの摩擦が増えることになります。これまであった1,000万円近い収入がなくなった現実を受け止めると、家事の役割分担の見直しは不可欠です。FIREを達成したあとで熟年離婚することになり、家庭が崩壊しては元も子もありません。
FIREとは「辞めても壊れない人生」を作り終えている状態
退職届は、感情が高ぶった勢いで出すものではありません。一方で、すべての不安を消し去ったあとに提出するものでもありません。なぜなら、そんな状態は現実的に存在しないからです。
FIREとは、辞める決断を指すものではありません。「辞めても人生が壊れない状態」を指すのです。
退職後に困った事態に陥らないためにも、この7つの条件をしっかり確認して、安全確保に努めてください。
結論◆辞表は「最後」に出せ。
◆感情を捨て、数字で確認しろ。
◆FIREは準備し切った者だけに許される「戦略的撤退」。
生方 正
サービス創新研究所研究員/個人投資家
