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道頓堀「かに看板」、実は色や動き方が進化していた。60年以上愛される“大阪名物”誕生の裏側

道頓堀「かに看板」、実は色や動き方が進化していた。60年以上愛される“大阪名物”誕生の裏側

◆コロナ禍の道頓堀に活気を取り戻した「かにまん」

かにまん
コロナ禍で発売したかにまん
このような大阪らしいユーモア溢れる姿勢は、商品開発にも活かされている。

コロナ禍で道頓堀の活気が失われていた時期に、「少しでも面白いアイテムで、みんなを元気づけたい」と考え、かにまんを開発・販売したところ、行列ができるほどの人気商品となった。

今では「かにまんを食べながら、かに看板を背景に写真を撮る」という光景が当たり前になり、広告を打たなくても自然にかに道楽の宣伝につながる流れができているそうだ。

特にアジア圏の外国人からの反響が大きく、かに看板での記念撮影後、「レストランで食事をする」というのがルーティン化しているとか。

彩かに造り会席
レストランではコース料理が定番で、写真は夏期シーズンの期間限定メニュー「彩かに造り会席」

◆かに看板には「2種類の動き」がある

ちなみに、かに看板は道頓堀だけでなく、西日本のいくつかの店舗にも設置されている。興味深いのは「ロードサイド(道路沿い)」と「ビルイン(テナント入居)」の店舗で、手と足の動きが異なる点である。

実際のところ、視認性を最優先に、見る人の印象に残るよう計算されているという。

「ロードサイド店舗では、走行中の車から見やすいように、かにの手と足は水平方向に動きます。一方で、ビルイン店舗では真上や真下から見る視点を想定し、手と足が縦方向に動くんですね。『どこから見てもリアルにかにが動いている』ような見やすさを考えた結果、動き方が2種類になっているわけです。

やはり、かにの躍動感が伝わることが大切で、それによって“新鮮さ”をアピールする狙いもあります。そのため、動きが速すぎないように、ゆっくりと動くようになっているのです」

時代に合わせて、表現方法や見せ方は変えながらも、かに道楽の象徴という本質は変わらない。

上品すぎず、大阪らしい“個性”や“ユニークさ”を保ちながら、磨きを掛けていく。

「今後も先代から受け継いだ遺産を、責任を持って次世代へ繋いでいきたい」

そう語る西岡さんは、どんなにSNSやデジタルが発達した世の中でも、「デジタル化には頑なに対応しない」というスタンスを貫くと強調する。

さまざまな宣伝効果や集客効果を生み出すかに看板は、まさにかに道楽を象徴する存在であり、それに勝るものはないと言えるのではないだろうか。

<取材・文・写真/古田島大介>

【古田島大介】
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
配信元: 日刊SPA!

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