金価格の高騰と売却益への影響(推測を含む)
世界的なインフレ懸念や地政学リスクの高まりを背景に、金価格は歴史的な高値圏で推移している。日本国内でも円安の影響が加わり、金地金の価格は大幅に上昇した。
ただし、今回の国税庁統計には金地金に関する詳細な数字は公表されていない。そのため、金価格の上昇が確定申告統計の所得増加にどの程度寄与したかについては、現時点では不明であり、断定できない。
一般論として、金地金の売却益は譲渡所得として課税対象となる。価格上昇局面で売却した場合、想定を上回る税負担が生じる可能性があることは念頭に置いておく必要があるだろう。
株高でも確定申告統計に表れにくい理由
上場株式等に係る譲渡所得金額も増加しており、株高の影響は一定程度反映されている。ただし、株式市場全体の活況ほど大きく見えないのには構造的な理由がある。
NISA口座で得た利益は非課税であり確定申告不要だ。また、特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合は、証券会社が源泉徴収・納税まで行うため、多くの投資家は確定申告をしない。そのため、株価上昇による利益が確定申告統計にそのまま反映されるわけではない。
不動産や(金地金の)売却益が比較的確定申告統計に反映されやすい構造にあるのに対し、株式投資による利益の多くは統計に現れにくい。この違いは、制度設計の違いによるものであり、資産ごとの「見えやすさ」の差として理解しておくことが重要だ。
